第8話

Ⅲ あなたの名前 - 2
427
2025/03/03 11:54 更新





(て、ことはさ……あの人…が、もしかして……)







以前否定はされたけど、

やっぱり…あの人、一般人じゃない気がするから…

誰か…多分、オーナーのことを探ってるんだろうな………








『…あ、少し…失礼します。』


K「…わかった。」







彼に断りを入れて席を外す。

オーナーがバックヤードに入ったから、

さり気なく追いかけた。



…コルンをよく頼むこの人は、

私を指名してくれた唯一の人。








(…優しいんだよね。)







口下手だけど。

そんな彼の手伝いがしたい。

…何か、役に立てたら。






































(…?何するつもりだろう、)








バックヤードで

なにやらごそごそと荷物を漁っている。

否、それはちゃんと彼女の鞄ではあったが……









(………っ、あれって………)




































♪〜








『……!』



「あ、もしもし?」








不意に電話の音が聞こえ、
息を潜めた。

彼女の電話だったようで、
何やら話し始める。







「…ああ、今日よね?大丈夫。
ちゃんと持ってくから。」






電話をしながらひらひらと
先程の袋……恐らく麻薬、を目の前にかざしている。







(あれ……危ない薬じゃ………)







オーナー……。

………尊敬していたのにな。







(でもこれで、ちょっとは証拠掴めたかな…、
この録音をルークさんに渡して、)




































カタン…









「、?誰かいるの?」


『………!!』







手を滑らせて、
ボイスレコーダーを床に落としてしまった。

必死で息を潜めていると
オーナーは床に落ちたボイスレコーダーを取る。







「……!…今の会話、聞いたのね。」


(や、ば…これ、)


「何もしないから、おとなしく出てきなさい。」







カツ…カツ…と、

オーナーのハイヒールの音が響いた。


そして、次に響いた音に
あなたのバーでの名前は耳を疑った。




























チャキ………














(………け、)









拳銃……!?



もちろん、本物を見るのは初めてだ。

ただ、ドラマで見たそれと
音が…一緒だった。




ドッドッドッと、
心臓の鼓動が早くなる。









殺される………!




あなたのバーでの名前は思わず、

心の中で彼の名を叫んだ。





































(ルークさん………助けて……っ!)




































プリ小説オーディオドラマ