第8話

7.空を割る風
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2025/07/03 22:34 更新

「ヴェザリスの心臓部へセキュリティを回避して行くには、空を割って、“天上の門”を開けるしかない。
けれどそれができるのは、あなたの下の名前(カタカナ推奨)――君だけだ」

カイルの説明に、あなたの下の名前(カタカナ推奨)は小さく頷く。
アメジストの瞳に迷いはなかった。

「わたし、やるよ。ジークとサテラと、外に行くって決めたから」

「……あなたの下の名前(カタカナ推奨)」

ジークがそっと彼女の手を握る。その瞬間、風が優しく吹いた。
だが――その空気を切り裂くように、ノーラが再び空中に展開する。

「……ならば、力づくで止める。ヴェザリスの均衡は、絶対だ」

ノーラの背後に、黒く巨大な“空中の門”が開き、ヴェザリスのコア制御兵が次々と出現していく。

「こいつらは……機械兵!?」

サテラが剣を構える。

「もう、黙って見てるわけにはいかないでしょ!いくよ、あたしの晴天乱舞!」

剣が光を放ち、晴れ空のエネルギーを帯びて炎の波を生み出す。

「っはあああああああっ!!」

火と雷、風が交差する三人の共闘――
だがその中、カイルがノーラへ飛び込む。

「ノーラ!もうやめてくれ!」

「……あなたに、止められる義理は、ない」

ノーラがカイルに向けて雷刃を放つ――!

「くっ……!」

カイルがかわしながら空中で体勢を整える。

(……やはり、彼女を止めるには“覚悟”が必要だ)

その時、ジークが叫んだ。

「カイル、俺がやる。お前は下がれ!」

「ジーク……!?」

「アイツはヴェザリスの一部だ。お前が情を持っても、消されるだけだ!」

「だけど彼女は……っ!彼女は、俺が初めてこの島に来た時に、唯一――俺に“ありがとう”って言ってくれたんだ!」

その言葉に、ジークの胸がざわめく。

(……ありがとう、か)

――あなたの下の名前(カタカナ推奨)が、いつもくれる言葉だった。
ジークはふと、カイルの瞳の奥に自分を重ねた。

(こいつも……誰かに、必要とされたかったんだな)

それでも。

それでも――胸が、熱くて、苦しくなる。

「……それでも、あなたの下の名前(カタカナ推奨)に“お前が必要だ”なんて、言わせない」

雷が奔る。
ジークが空へ跳ね上がり、カイルに槍を向ける!

「ジーク!?なにしてるんだ!」

「一度、ぶつからせろ……お前と僕の、全部をだ!」

雷の奔流が空を割る。

――ジーク vs カイル、空中戦 開始!!

あなたの下の名前(カタカナ推奨)とサテラが見上げる空の中――
ジークとカイルが激突する!

「僕は……僕は、あなたの下の名前(カタカナ推奨)と一緒に外に出るって、決めた!」

「それは、俺も同じだ!!」

槍と機械の刃が交差するたび、空が震える。
雷と金属の衝撃音が、ヴェザリスの雲を裂いていく。

「……本当に、お前はあなたの下の名前(カタカナ推奨)のことを“想ってる”のか……?」

「……っ!」

「じゃあ、僕を越えてみろよ!!」

渾身の雷撃槍が、カイルを貫こうとしたその瞬間――

「ジークッ!!!」

あなたの下の名前(カタカナ推奨)の叫びが届いた。

風が暴走する。

感情と共鳴した天候が、強風と竜巻を生み、空中戦の中心を飲み込む!

「やばい!これは……あなたの下の名前(カタカナ推奨)の“風暴”!」

「ジーク、離れて!!」

「いや――ッ!」

ジークは、風の中を突き抜け、あなたの下の名前(カタカナ推奨)の元へ飛び込んだ。

「……大丈夫。僕が止める。お前の風も、涙も……全部」

その腕の中で、あなたの下の名前(カタカナ推奨)の風は落ち着いていく。
やがて、雲の合間から光が差し込んだ。

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