〜幼少期〜
ーーークラウン家近くの森
ベキッ バキバキッッ
ランスの唱えた魔法により、近くにあった大木が大きな音を立てて潰される。
『頑張ってね』
バチンッ
部屋の中に鈍い音が響き渡る
お父さんが部屋から出ていくと、姉さんは声を押し殺して泣いていた
これが日常だった
あれから時が経ち、アンナが産まれた
それ以外は特に変わったことも無く
今日もまたいつものように森の中で魔法を練習していた
ベキベキッッ バキィッ
練習をし過ぎて辺りはもう更地に近い。
折れた木の残骸は薪として使っているが、それを保管している倉庫ももういっぱいになりそうだ。
ーーー森
自分の中に溜まっている魔力を感じながら、呼吸を整える
セコンズ程の威力の魔法を出そうとすると、
魔力量こそは足りるが上手く出力できない。
長い間森に居たため、もう辺りは暗くなって居た
そして魔法の練習は失敗するとなかなか危険で、
全身傷だらけだ。
クタクタなからだを引きずるようにして帰った
姿を見せず部屋の奥からしか聞こえて来ない声など
建前上の言葉しか並べられてこない
姉さんだけはオレのことを愛してくれる、心配してくれる
自分達の出世の道具としか見ていないアイツらとは違って。
姉さんと居ればシアワセだったんだ














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!