第35話

三十話 《過去①》
1,209
2024/12/17 23:03 更新


〜幼少期〜




ーーークラウン家近くの森





ランス(幼少期)
【⠀グラビオル  】









ベキッ バキバキッッ






ランスの唱えた魔法により、近くにあった大木が大きな音を立てて潰される。











ランス(幼少期)
…こんなものか

















ランス(幼少期)
今日は一度に木を三本倒せたよ








父
流石だな!ランス!
母
えぇ!本当に!

父
この調子ならきっともうすぐセコンズも発動させられるんじゃないか!
母
そうね!きっとランスなら出来るはずよ、












頑張ってね出来るようになりなさい













ランス(幼少期)
……



ランス(幼少期)
うん。



















幼少期の夢主
……














ランス(幼少期)
(姉さん…)










父
でもそれに比べて……






父
あなたの下の名前は一体どういうつもりなんだ!!!








幼少期の夢主
……(ビクッ









母
今日は一体何をやっていたの!?











幼少期の夢主
今日は…






幼少期の夢主
自分の魔力を体の中で増幅させる練習を……







父
重力魔法は使えるようになったのか!!








幼少期の夢主
いえ……それはまだ出来なかっ










バチンッ












部屋の中に鈍い音が響き渡る








幼少期の夢主
いっ___









ランス(幼少期)
お父さん!!











父
重力魔法が使えなければダメなんだ!!!







父
俺たちがこの家に置いているのも、お前が重力魔法を使えなければ意味が無い!!








幼少期の夢主
……ッ









ランス(幼少期)
お父さん!姉さんに手を出すのは___








母
ランスは黙ってなさい!!!










ランス(幼少期)
ビクッ)















幼少期の夢主
ナルコスなら、2本木を倒せた…!
幼少期の夢主
重力魔法は、これから頑張ろうと







父
うるさい!



幼少期の夢主
…ッ




父
とにかくお前は早く重力魔法を使えるようになれ!!
父
俺たちはいつでもお前を捨てられるんだからな!!







幼少期の夢主
…ッ、はい…














お父さんが部屋から出ていくと、姉さんは声を押し殺して泣いていた











ランス(幼少期)
(また……助けられなかった…ッ)










これが日常だった




























あれから時が経ち、アンナが産まれた




それ以外は特に変わったことも無く
今日もまたいつものように森の中で魔法を練習していた






ランス(幼少期)
【⠀グラビオル  】





ベキベキッッ バキィッ





練習をし過ぎて辺りはもう更地に近い。



折れた木の残骸は薪として使っているが、それを保管している倉庫ももういっぱいになりそうだ。











ランス(幼少期)
(もう少し、遠くの方へ行ってみるか……)























ーーー森










ランス(幼少期)
今日は...セコンズを練習してみたい




自分の中に溜まっている魔力を感じながら、呼吸を整える







ランス(幼少期)
フー...


ランス(幼少期)
グラビオル セコ...
ランス(幼少期)
ぐっ...、




セコンズ程の威力の魔法を出そうとすると、
魔力量こそは足りるが上手く出力できない。





ランス(幼少期)
これは...相当練習しなければ...


















ランス(幼少期)
はぁ……早く家に帰らなきゃ






長い間森に居たため、もう辺りは暗くなって居た



そして魔法の練習は失敗するとなかなか危険で、
全身傷だらけだ。



クタクタなからだを引きずるようにして帰った


















ランス(幼少期)
…ただいま









母
あらランス遅かったわね、心配していたのよ
母
ご飯作っておいたから食べておきなさい






ランス(幼少期)
...はい






ランス(幼少期)
(心配してたなんて...どうせ口だけ)



姿を見せず部屋の奥からしか聞こえて来ない声など
建前上の言葉しか並べられてこない





幼少期の夢主
ランス!もうこんなに外が暗いのに帰ってこないから心配したよ……って
幼少期の夢主
何その傷!!
幼少期の夢主
早く姉さんに見せて!?手当してあげるから!
ランス(幼少期)
あ、姉さん...


姉さんだけはオレのことを愛してくれる、心配してくれる




自分達の出世の道具としか見ていないアイツら両親とは違って。





ランス(幼少期)
もう何言ってんの……姉さんの方が酷い傷じゃん……
幼少期の夢主
私のことは良いの!
ランス(幼少期)
良くないよ…
幼少期の夢主
だったら手当てし合っちゃおう、
ランス(幼少期)
なんだそれ






姉さんと居ればシアワセだったんだ







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