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雨音が響いていますね
第1章
゛愛する人゛
それは春の訪れを感じる頃。
高校生だった僕にある運命的な出会いが舞い降りた。
彼女の名前は
海葉 愛美(かいば あみ)
愛美さんは特別可愛いわけでもは無いけれど、人一倍優しくて笑顔溢れる僕の理想にとても近い人物だった。同じ学年だったから、ほんの少しは喋る機会があった。でもやっぱり僕にとって愛美さんは 「高嶺の花」で、遠くから見守るのが精一杯だった。
ある日、愛美さんと仲のいい女の子3人が先生に呼び出され、帰ってきた時には大号泣で過呼吸のような状態の子までいた。僕はとても心配になり、今まで1度も話したことの無い3人に話しかけてみた。
「あっ...あのさっ...!」
「ん? ... なんですか?」
「どうしたんですか?そんなに泣いて?何かあったんですか?」
「.......っなんでもないですよ.......心配ありがとうございます.......」
「愛美さん.......愛美さんの事ですよね?僕何があったか知りたいんです!お願いします!」
「っ....あの子は.......昨日.............
゛亡くなった ゛
僕はその言葉を聞いた時、足に力が入らずその場に崩れ落ちた。
3人に愛美さんのことについて聞いた時から覚悟は出来ていた。もしかしたらって思ってた。でも、違っていることを願ってた。悪い予感こそ当たるって言うのはまさにこの事なんだと実感してしまった瞬間だった。
3人が僕になに話しかけている。でも何も聞こえない。視界もぼやけてきた。嗚呼、もしも、愛美さんを生き返らせることが出来たなら.......そしたら僕のお金も、僕の命も全て捧げるのに.......。
ねぇ神様
どうかどうか、愛美さんを生き返らせてください。
もう一度、僕を愛美さんに合わせてください。
もしそれで僕の命が消えようとも構わないから。
ねぇ神様
僕の願い叶えてよ。
僕が目を覚ました時目に映ったのは
見慣れた教室の風景ではなく
見慣れない白く綺麗な天井だった
もしかしたら、愛美さんの所にっ!!と思いテンションの上がった矢先
「一ノ瀬くん?あっ起きたんだ。良かったぁ気失ってたから病院搬送しようか迷ったんだけどさwそうだ、痛いとことかない?あったら言ってね!」
そう優しく話しかけてくれたのは保健室の南先生だ。
「.......痛いとこですか.......。」
「んっ?痛いとこあるの?どこかな?」
「心が痛いです。心にぽっかり穴が空いたみたいだ.......」
「.......心か.......なにか辛いことがあったんでしょう?先生に話してみない?」
そう言われて、僕がこうなった理由らしき物を全て話した。
南先生は辛かったねって僕の背中をさすってくれた。
その手のひらがとても温かくて泣き出してしまった。
それを見て南先生は笑っていた。男なんだから泣かないのって言って僕を笑わせてくれた。
僕はそんな南先生に新たな恋をしてしまったのだ。
゛男子高校生が保線室の先生に恋をする ゛
なんて、漫画の中であれ現実であれ僕には無縁だと思っていた。
だから、こうして現実と理想の間のギャップによってとても悩んだ。確か中学校で習うことだったっけ?と、少し考えたりもした。
僕は南先生に恋をしてから2ヶ月後ついに思いを伝えた。
まぁ見事に振られたけれど。
人生2度目の恋は後悔せずに終われたことに対して喜びを感じた。確かに振られたのは悲しいが、所詮生徒と教師の間の恋愛は法律上禁止だ。無理だとわかって望んだもの。
それからも僕は色々な人に恋をしていった
スタイルのいい子
顔が可愛い子
美人な子
ちょっとぽっちゃりしている子
ツンデレな子
中性的な子
そうやって色々な子を好きになった。でも告白はしなかった。きっと、これ以上傷つきたくないと心が叫んでいたのだろう。
南先生は僕の良き相談相手となってくれた。こうしてみれば?ああしてみれば?と、色々教えてくれた。
でも僕の心は穴の開いたままだったんだ.......
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
皆さんこんにちは!
しゅらくんと申します!
今回が初投稿ということで、ちょっと緊張しておりますw
タグに関しては、物語全部を含めて見た時にってことなので、まだまだ関係ないです。
途中何言ってるの?ってなってるとことか誤字脱字があるところがあると思いますが、おおめにみてくださいm(*_ _)m
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。