第18話

🦇🏐🔪
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2024/01/09 22:12
 
九井一
あっぶねぇ………
落ちたはずだった私は手をココに掴まれていた
焦った様子で息の荒れているココとは裏腹に
止められてしまった、と少し落胆した気持ちで
何故かとても落ち着いている僕

そして、このまま死ぬ方法を探す
今は僕も手を握り返しているけど
手を緩めたら落ちれるのでは無いかと思い手を離した
すると、スルスルと手が抜けそうになり
もう片方の手でも腕を掴まれた
九井一
何やってんだよ……
(なまえ)
あなた
だって死ねないし
僕はその状態のまま普通に話す
映画とかだったらヒロインが「死にたくない!」
とか泣きわめいたりするのだろうが
僕はそんなことはしない、というか死にたいわけだし
泣きわめく要素など一切ない
救われて泣きわめくならまだしも
まだ死ねる可能性はあるわけで何方でもない
二つの意味で宙ぶらり状態だ
そんなことを考えながら死ぬ方法を考える
爪で引っ掻いてみる?
腕に噛み付いてみる?
ナイフで刺すのは可哀想……
九井一
死ねないし、じゃないだろ
九井一
とりあえず絶対引き上げるから待ってろ
いや待ってろと言われても……と思いながら
どうしようもないので大人しくじっとしていると
ココに突っ込まれた
九井一
手、握れ
引き上げられないだろ
まあどちらにしろこの体制は疲れるので
手を握り返す
すると思い切り腕を引っ張られて
元いた屋上まで連れ戻されてしまった
九井一
はぁ……
(なまえ)
あなた
お疲れ様……?
九井一
お疲れ様じゃねえよ
九井一
部屋行ったらお前はいねえし
遺書あるし……
九井一
ったく…話は後で聞くとして
とりあえず帰るぞ
(なまえ)
あなた
……何で?
僕が聞くとココは驚いたと言うか間の抜けた顔をした
九井一
は?
(なまえ)
あなた
いや、だって目的は達成できてないし
九井一
たっ……はぁ………
まだ死ぬつもりか
(なまえ)
あなた
だってそれ目的でここに来たし
九井一
なら少し話さないか?
(なまえ)
あなた
うーん……うん、まあいいよ
今日中に死ねればいいのだから別にいいかと思って座った
すると、ココも隣に座った
















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