あなたから稲妻のような電流が流れる
その場の一同全員があなたに瞬時に目をやる
硏は大きな舌打ちをして縋るように苛立つように吠える
表情に焦燥と後悔と愛憎が垣間見える彼の顔はどこか幼稚で淋しそうだった。
確信と追い討ちを与えた硏にとっては決定打だったのだろう。
行きずまり狂うように叫び、彼の体から赤黒い霧のようなものが放出される。
反撃をかけようと自分の中にある得体の知れない力をできるだけ制御して硏に向かって放つ。
同時に心臓に電流が渡るような激痛が走り心臓を咄嗟に抑えてしまう。
硏は完全に正気を失っていて暴君に成り果てている。
何とか鎮圧を試みようとするが心臓の痛みが引かず、動くことが出来なった。
(くッどうにか、どうにかできないのかッ!!)
痛みで思考が鈍り暗闇に沈んでいくかのように視界が曇ってゆく。
突然前から腕を引かれる。
(ッ?)
壊れた天井から差し込む一筋の星光と彼彼女等のぎこちない笑みで視界はクリアになって心に一本の蝋燭が点ったような気がした。
後ろから正気を失い猛獣と化した硏が鋭い刃を突き立てて大振りに攻撃を振るう。
あなたの目にはやけにスローモーションに映る。
そんな中彼は一つの大きな選択肢を迫られていた。
‘’生きるか死ぬ‘’か、その選択はあなたにとって難題と言わざるを得なかった。
正直今の彼には‘’生きる理由‘’が無かった。
寧ろ死ぬ理由の方があるくらいだった。
このまま死んでしまえば、終われるのかもしれない。
慈雨はきっと自分の研究で人が死ぬことは望まない。
ならばこれ以上僕がここにいる価値も、意味も、何も無い。動かなければ、死ねるんだ。
あなたは直感した。動かない方が良いと。
やり残したことは無いかのように目を閉じた。
一瞬二人の驚愕と‘’どうして手を取らないんだ‘’という思いが表情に溢れ出していた。
二人の後悔になりたくなくて、哀れまれたくなくて死の恐怖に打ち勝ちながら僕は必死に
笑った。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。