パクノダ率いるあなたの下の名前、ゴン、キルアはリンゴーン空港に到着した。
クラピカはあなたの下の名前の姿に一瞬安堵するも、またすぐに気を引き締めた。
クラピカが周りを注意して見ていると、遠くからヒソカがやって来るのが見えた。
ヒソカの登場に動揺を隠せない周囲とは裏腹に、
あなたの下の名前はとても冷徹な表情をしていた。
はぁと短いため息を漏らし、
力のない目をキルアに向けた。
キルアには具体的に何があったか分からなかったものの、あなたの下の名前の表情を見ていると酷くやるせない心持ちになった。
ヒソカは電話をしはじめた。
相手は勿論、クラピカであった。
離陸する2船の飛行船。
全員が緊迫した様子の最中、ヒソカだけが愉快にトランプをして楽しんでいた。
地上に降り立った2船の飛行船。
岩肌の荒々しい殺風景な空間。
風もぴたりと止み、空一面を覆った薄い雲が
月の輪郭を霞ませている。
私たち以外、生き物の気配は何処にもない。
飛行船から全員が地上に降り立ち、向かい合った。
少しの沈黙がより緊迫した雰囲気を増長させる。
そして、クラピカが口火を切った。
ーそこからの展開は早かった。
フィルムのコマ落としをした映像を見ているかの如く、
あなたの下の名前はクラピカに飛びついていた。
クラピカはそれを両手で受け止めると、
ふたりはぴったりと抱きあった。
溢れてやまないあなたの下の名前への想い。
少し遅れて、あなたの下の名前の淡い髪の香りがそっと鼻を打つ。
ずっと待っていた……
この時を、
この瞬間を、
この温もりを、
この香りを、
この声を…
"もう2度と離さない"
クラピカはそう強く心に誓い、ぎゅっと抱きしめた。
その時、ヒソカのクロロに対する禍々しい殺気を感じ、腕のなかにいるあなたの下の名前を抱き上げて
そのまま飛行船に乗り込んだ。
(クロロside)
ヒソカは背中からフェイクの蜘蛛の入れ墨を取ってみせた。
即座にあなたの下の名前の方を見たが飛行船は既に飛び立っていた。
壊れたおもちゃに興味のないヒソカは、
そのままクロロの前をあとにしたのであった。
(クラピカside)
飛行船のなかでクラピカはゴン、キルア、レオリオと互いに目を合わせた。
皆、全身が充足感でみなぎった顔をしていた。
すると腕のなかにいたあなたの下の名前がやっと顔を上げ
クラピカのことを見つめた。
そのふたりの顔のあまりの近さに、キルアとレオリオは何かを察して席を外した。
そう言うとクラピカはあなたの下の名前の前に跪き、
あなたの下の名前の左手の甲をゆっくりと自身の唇に持っていった。
そして優しく口づけをした。
吸い込まれそうになる、あなたの下の名前を見る真っ直ぐな瞳に、
あなたの下の名前はぽろぽろと涙が溢れ出てきた。
嬉しかった。
今は泣いてる場合じゃないって
そう思えるのは、
貴方に出会えたから…
恋を知ったから。
ふたりはまた抱き合った。
そして互いに寄せ合うようにそっと唇を重ねた。
その瞬間に言葉を交わすことでは決して伝わらない何かが光って消えた。
それは映画のワンシーンのような美しいキスだった。
痺れをきらして割り込んだレオリオ。
キルアも咳払いしながら戻ってくる。
それはふわりと皆を包み込むような満面の笑みだった。
あなたの下の名前の笑顔はどうしてこれほど周りを幸せにさせるんだろうか。
皆がほっこりとして顔を見合わせた。
目の前にあったのは、いつもの平和な日常であった。
隣を見るとあなたの下の名前が楽しそうに大笑いしている。
クラピカは自分の求めていたものが何なのか、
やっと分かった気がしていた。
そしてあなたの下の名前の手を握りながら、その幸せを噛み締めた。
endにしようかとも悩みましたが、
まだ書きたかったので番外編で続けさせてもらいます♡




















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。