第3話

comradeーNo.3
133
2023/05/02 12:26
*side あなた
途切れ途切れな息をはきだす
全身という全身から汗が出てくる
この蒸し暑さは都会の真夏日と変わらない
(なまえ)
あなた
な、慣れねえぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇぇぇ……
人里という一般の人々が住んでるところに行くのには俺の住んでる神社からおよそ半刻約30分かかる。
ついでに日向が多い+太陽がまぶしいし、暑い
つまりただならぬ地獄なのである
しかしここまで来たのだ。人里の郊外まで来たんだ。
ここまで来て帰るのが一番しゃくに障る
(なまえ)
あなた
………
(なまえ)
あなた
行くかぁ
昔よりモヤシになった体を鞭打って歩く
左にある八百屋の野菜達は水が浸された桶に風船のごとく浮いていた
八百屋近くの雑貨屋にはトリカブトや睡蓮が描かれた風鈴、クロッカスをモチーフにした髪飾りが風に吹かれたのか少しズレている
その二店先にはキュウリの漬け物が美味しい店が。その斜め右には気の優しいおっちゃんがいる居酒屋が
その三件先にはうなぎの蒲焼きがどちゃくそ美味い店が、その横にあるのいつもおまけをくれるお姉さんがいる店が、
その隣には人里でも指折りの料理人がいる定食屋が
そして、その数件先にー

俺らの仲間が経営する店があるのだ
「カランカラン」っと心地よいレトロな鐘の音がなる
コーヒー豆特有の匂いが鼻をくすぐる
カウンター席の前にある厨房に立っているのは、
朱色しゅういろの目に黄金色こがねいろの髪。赤いリボンのよう髪留めで髪を一束結んでいる少年。
彼は俺の顔を見るなりある言葉を口にする
キラ
おーいらっしゃせぇ~
ー IQ2の能力者 ー
        キラ
(なまえ)
あなた
ここは居酒屋か!
キラ
んーまあそうだな
紅葉
どこから見れば居酒屋になるの?
紅葉
キラってそんなに知能下がってたっけ?
そうツッコむのは亜麻色あまいろにグラデーションがかかった薄藤色うすふじいろの目を持ち、巫女装束を纏ったまとった少女。
ー 例外を持つ普通の剣士 ー
              紅葉くれは
(なまえ)
あなた
下がってるんだよ。致し方がない
紅葉
そっかぁ…
キラ
あ?!お前ら言ったな!?
俺がバカだって言ったな!!
と憤慨し、キラは俺らに向かって指をさす。
(なまえ)
あなた
言ったけど何?
キラ
なら俺がバカじゃなくてIQ200の超天才だって証明してやるよ!
ザキ
まずその時点でお前天才ではねえだろ
俺らが散々わざと避けてきた的を軽々しく打ちこむような途轍もなく心にダメージを与える言葉をキラにぶつけるのは
壁に寄りかかり、腕を組む焦げ茶色に鮮緑の目を持つ少年。
ー 元命喰いの少年 ー
          ザキ
キラ
………
キラは目をまん丸くさせ、ザキを異物のように見つめる
キラ
嘘だぁ…
ザキ
嘘じゃないぞ
キラ
いや、だって天才って自分が天才だって自覚出来るんだろ!?
(なまえ)
あなた
それ小説内とか創作物内ならそうだけどね(苦笑)
と、笑う。
そして俺は店に来た理由(建前)をキラに呟く
(なまえ)
あなた
あ、マスターキラ?アイスティーを一つ
キラ
ほーい
(なまえ)
あなた
ザキは何か頼む?
ザキ
…今はいい
(なまえ)
あなた
りょーかい
カウンター席に座り、テーブルに突っ伏す
仄かに香るパンとコーヒー豆の匂いが鼻をくすぐる
























バカだけどどこかしっかりしているキラ
そのキラの大切な人であり、相方の紅葉
キラの相棒であり、どこか素っ気ないけど優しいザキ
こんな優しい人に囲まれている俺は幸せ者だとつくづく思う。
 














  
???
ねえ、あなた。どこに行ったんですか?
???
ガッくんも委員長も待ってるんですよ
???
貴方の帰りを
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資料 No.4
人里
幻想郷でも妖怪からの手から怯えなくて済む人間の少ない居場所。
木造の平屋が多く軒を並べている 
妖怪の手が届かないと言いつつも、幻想郷規模の異変に於いては、よく巻き込まれるところでもある。
(参考:pixiv百科)

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