第2話

変わった愛の『体質』らしい。
12
2025/05/09 21:41 更新

友達と帰り道を歩く。
友達はそこそこいる。
あくまでも、アタシが勝手に愛を請うているだけだから、ちゃんと好きになってくれる人がいる。
……なのに満たされない。
あなた
満たされない……
雪紀(ゆき)
どーしたの?
あなた
あ、ううん。違うよ、なんでもない
雪紀(ゆき)
そう?ならいいけど……
ほらね。心配してくれる。
それでもまた足りないんだ。
あなたはそういう体質。
これは生まれ持ったものだし、今更どうこうできるものでもない。
あなた
雪紀ちゃん、そういえば……
彼女に関して、ある噂を思い出した。
直接雪紀ちゃんからその話を聞いたわけでもなく、なんとなく耳にした噂。
あなた
雪紀ちゃんって彼氏出来たの?
雪紀(ゆき)
………彼氏?私に?
あなた
うん、噂で聞いた
噂は所詮噂に過ぎなかったらしく、雪紀ちゃんは首をブンブンと横に振ってみせた。
雪紀(ゆき)
いやいや、いないよ?
あなた
へぇ、てっきり出来たもんだと
雪紀(ゆき)
だから最近みんな気を遣ってたのね……
雪紀ちゃんに彼氏はいなかったらしい。
そういえば、その子が色恋沙汰に興味を持つことはほとんどない。
ちゃんと、そういう異性から向けられる愛じゃなくても、愛されてるんだろうな。
既に満たされてるから、興味がないんだろう。
雪紀(ゆき)
私はほら、なんかあんまり彼氏とか興味なくてさ。今の生活で十分だし、あなたみたいな友達もいるしね〜
あなた
雪紀ちゃん……
羨ましい。
率直にそう思う。
愛を素直に受け止められる彼女が羨ましく、妬ましいような気もする。
雪紀(ゆき)
ま、でもさー
雪紀ちゃんは身を翻してアタシに向かい合った。
雪紀ちゃんの長い銀髪が揺れて、光を反射してキラキラしている。
雪紀(ゆき)
こうやって言えるのも、君がいるからだし!今は友達を大事に生きたいんだ!
あなた
……大事……
大事。
大事……ねぇ。
本当に?
アタシを?
あなた
……流石、雪紀ちゃんだね。君みたいな子が友達で嬉しいよ
また、本音を隠した。

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