友達と帰り道を歩く。
友達はそこそこいる。
あくまでも、アタシが勝手に愛を請うているだけだから、ちゃんと好きになってくれる人がいる。
……なのに満たされない。
ほらね。心配してくれる。
それでもまた足りないんだ。
あなたはそういう体質。
これは生まれ持ったものだし、今更どうこうできるものでもない。
彼女に関して、ある噂を思い出した。
直接雪紀ちゃんからその話を聞いたわけでもなく、なんとなく耳にした噂。
噂は所詮噂に過ぎなかったらしく、雪紀ちゃんは首をブンブンと横に振ってみせた。
雪紀ちゃんに彼氏はいなかったらしい。
そういえば、その子が色恋沙汰に興味を持つことはほとんどない。
ちゃんと、そういう異性から向けられる愛じゃなくても、愛されてるんだろうな。
既に満たされてるから、興味がないんだろう。
羨ましい。
率直にそう思う。
愛を素直に受け止められる彼女が羨ましく、妬ましいような気もする。
雪紀ちゃんは身を翻してアタシに向かい合った。
雪紀ちゃんの長い銀髪が揺れて、光を反射してキラキラしている。
大事。
大事……ねぇ。
本当に?
アタシを?
また、本音を隠した。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!