あなた
…あー、遅かったか
志摩一未
あなた、銃を下ろせ
あなた
なんで？
志摩一未
お前を人殺しにさせるわけにはいかない
伊吹藍
あなたちゃん、お願い…銃下ろせって
あなた
…それは警察官としての問い？
九重世人
双葉さん、そんなことより早く銃を下ろしてください！
九重世人
あなたまで人殺しになる必要はないんです！
あなた
…これは人殺しじゃない
あなた
司法でこいつを裁けないなら、誰がこいつを裁くの？
あなた
誰もこいつに罪を問えない…なら、私がやるしかない
あなた
例え刑事をやめてでも…私はこいつに正当な罰を与えてやる
志摩一未
ｯ…それは違うだろ！！
志摩一未
お前が言ったんだ、殺しそうになったら止めてくれって…あなたが俺達に言ったんだろう！！
あなた
…
凪
へぇ…俺を、殺したくないんだ
凪
はは…嬉しいよ、あなた
ｽﾘｯ…
あなた
…！
凪
あなたが生かしてくれる、おかげでｯ…まだまだ、殺せる
伊吹藍
凪、お前もう黙れ
凪
お前が、俺の名前を呼ぶな
凪
俺の名前は…あなた、しか…ねぇ、あなた？(笑)
凪
ﾊｧｯ…ｹﾎｯ
陣馬耕平
あなた、そのままだと窒息するぞ！！
あなた
ｯ…
凪
…いいよ、殺して
凪
俺…あなたに、殺されたい
九重世人
何をｯ…
凪
今、殺さないと…俺、たくさん殺すよ？
あなた
なｯ…
凪
俺は、あなたしかｯ…いらない
凪
他の奴、皆…死ねばいい
ｶﾞｼｯ
凪
今俺を、殺さないとｯ…俺がここにいる人、全員殺すよ
凪
ぐちゃぐちゃにして、抉り取って…あなたに、プレゼントするよ
あなた
ｯ“…！！
ｶﾁｬｯ…
志摩一未
あなた、あなた！…そいつは俺達が必ず捕まえる、絶対に逃がさない！
志摩一未
だから撃つ必要なんてないんだ、あなた！
伊吹藍
逃げたら俺が走って捕まえる、俺の足の速さ知ってんだろ！！
凪
さ、ぁ…あなた…今が、チャンスだよ
この時、私の頭の中には…1つしかなくて
私は引き金に指をかけた
“お前は正義か？”
“それとも悪か？”
私は───
伊吹藍
あなたちゃん、お願い！…まだ間に合うから、まだｯ…
あなた
…何が間に合うの
あなた
大勢死んだ、皆…凪に殺された
あなた
死んだ人間は生き返らない、命に取り返しはつかない
志摩一未
ｯ…
あなた
もう間に合うとかそう次元じゃない…こいつは、凪だけは
あなた
今ここで始末しないといけないの
伊吹藍
やｯ…
ﾊﾞﾝｯ───！！
九重世人
ｯ…！！
あなた
…ﾊｧ
志摩一未
あなたｯ“…！！
あなた
…ごめんね、志摩…伊吹
伊吹藍
あ、ぁ…あなたちゃん
伊吹藍
俺、俺はｯ…
ｷﾞｭｯ
あなた
大丈夫、伊吹は悪くない
あなた
これは誰にも、どうすることもできなかったんだよ…必然だった
伊吹藍
ｯ…！！
あなた
…元気でね、皆
あなた
“さよなら”
ﾀﾀﾀｯ…
志摩一未
あなた！！
伊吹藍
…なぁ、志摩
伊吹藍
間に、合わなかった…間に合わなかったｯ…！！…ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ志摩一未
ｯ…伊吹
伊吹藍
俺、俺ｯ…止められなかｯ…
ｷﾞｭｯ
志摩一未
お前だけじゃない、俺もだ
志摩一未
俺も、止められなかったｯ…
伊吹藍
ｯ…ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ
