召使いの腕に抱かれた小さな体を見ながら問う
チェカではない
15年間一緒に暮らしてきた第2王子だ
召使いが説明している間も
お兄様はずっとビクビク震えながら
爪をたてている
お兄様の髪はなんだか独特な匂いがした
この薬草がいくつか混じった匂いは
薬以外考えられない
そっと触れば
まだ濡れている感触がする
様子からして
精神まで幼児化してしまったのだろう
お兄様は両手を広げながら
私のほうに伸ばしてきた
お兄様は落ち着いた様で
丸めていた尻尾を少し揺らした
召使いに調べさせたところ
どうやら魔法薬の部屋の薬が一つ無くなっているとの事だった
それの名前が''若返り薬''
絶対にそれだろう
昨日お兄様が濡れて不機嫌そうに部屋から出た所を見た者がいるのだし
近くにあるカレンダーを見ながらそう呟く
ファレナお兄様達は
しばらく隣国に行くことになった
私達は特に用も無いので
城の事を任されていた
アインスに言いながら
腕の中のお兄様を撫でる
アインスを見送ると
部屋の中にはお兄様と私しかいない
目をウトウトさせながら
私の服を小さな手で握った
握ったと思えば
すぐに寝息が聞こえてくる
少し可愛く感じてしまい
笑みを溢しながら
小さな体の体温と一緒に
眠りに落ちた












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。