私は今、拠点内に入って、準備?をしていた。特に、私はないのだが、他の人達は必要らしいから…。
その瞬間、強い風が私の方にやってきた。
目を開けると、既に文さんはおらず、既に天高く飛んでいた。
私は走って、文を追いかけていく。飛べないから仕方ないと言えば仕方ないのだが…。
すぐに見失ってしまいそう。これは…。
はい、見失いました!お疲れ様です!
後ろから声が聞こえてきた。女性の声だった
…何を言っているんだろう…?
この人…白楼さんを知っている…?
…何かしらの意図がありそうだ。この発言は…慎重に言葉を選ばないと…死ぬかも…。
私は、思ったことを目の前の彼女に告げた
ふと…嫌な予感がした
その予感は当たっていた。
体をずらさなかったら…死んでいただろう。
そう思える斬撃が、私が元々立っていたところにしっかりと残っていた。
私は一瞬で彼女に近づき、彼女の腹部に拳を入れた
私は、驚いていた。それもそうだ、私は、吸血鬼となった。その身体能力でも、「痛い」。それだけで済んだのだ。勝てない。そう、自覚する。今の私じゃあ…勝てないと
どうする?どうすればいい?今の私じゃ、絶対に勝てない相手。どうすれば…あっ!
能力があった…。こういう使い方もできるんだ。気づけてよかった。
そう…。
なんか飛んできてる音が聞こえる!
咄嗟に目に魔力を集めた。その瞬間、私以外の世界は止まった。
後ろを振り向く。そこには、自分へと向かってきている…えっと、これは…チャクラム…かな?そんなものが止まっている。
結構長い間走ってる感覚がする。実際はそこまで経っていない…いや、止めてるから経ってすらないのか
目に痛みが走った。能力を使いすぎた…今日はもう使えない。いや、使えないわけではないが、ここからは目に負担がかかる
…どうする。どうする。どうする!
…そうだ。まずは周囲を見てみよう。そうすれば、打開できるかもしれない
左の方向には、広がる一面の平原。右の方向には、祠と思わしき場所がある
何かが頬を掠めた
頬から、血が漏れる。血が顔を渡っていく不快な感覚に襲われる
私はナイフを投げた。綾音は持っていた武器で軽々と弾く
目に激しい痛みが走る。痛い、痛い、痛い痛い痛い。でも、ここで死ぬわけにはいかないんだ
私は祠に走った。すぐに内部に入る。鍵や、そんな類のものはなかったから安心した
平原方向に逃げても広がるのは広々とした平地。無理やり使用しているから、強制解除される。それなら、祠に隠れて、やり過ごす方が得策のはず
強制解除だけはしたら、死ぬ…。あの痛みを声を漏らさずに耐えることはできない。私は咄嗟に近くの柱に隠れた
足音が聞こえてきた。祠に来たのだろう。流石に平原方面には行かないことは分かってるか
…嫌な汗が吹き出す。落ち着け、ブラフだ。出ていったら殺される。…死にたくない。まだ、死ねないんだ
え?
その瞬間だった。腹部に強い痛みが走った。隠れていた柱から飛ばされる
綾音が投げたチャクラムがゆっくりと近づいてくる。動け…動け…動け…動け動け動け動け動け動け動け動け動け!
まだ死ねないんだ。死ぬわけには行かないんだ。あの人と約束して、ここに私はいるんだ。約束も果たさずに、死ぬわけには行かないんだ!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!