第8話

逃走
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2022/11/25 11:00 更新
射命丸 文
さぁて、どうなるんでしょうねー。あっ、そこ、崩れやすいですから、あまり触らないほうがいいですよ
リナ・ステアティード
あっ、はーい
私は今、拠点内に入って、準備?をしていた。特に、私はないのだが、他の人達は必要らしいから…。
射命丸 文
準備終わりました。さて、行きましょうか。リナさん、しっかりとついてきてくださいね
リナ・ステアティード
……分かりました?
射命丸 文
…飛びますよ!
リナ・ステアティード
ふぇ?
その瞬間、強い風が私の方にやってきた。
目を開けると、既に文さんはおらず、既に天高く飛んでいた。
リナ・ステアティード
…早い…ですね
射命丸 文
…早くついてきてください
リナ・ステアティード
あっ、はい!今行きます!
私は走って、文を追いかけていく。飛べないから仕方ないと言えば仕方ないのだが…。
すぐに見失ってしまいそう。これは…。
はい、見失いました!お疲れ様です!
リナ・ステアティード
文さん、速すぎませんかね…いくらなんでも…
???
あれ?あいつと似た魔力気配がする
後ろから声が聞こえてきた。女性の声だった
???
…えっと、白楼…ではないよね?
リナ・ステアティード
…違います。白楼さんは私をこの世界に連れてきた人ですね
???
なるほど。あなたが、あいつの言ってたやつなんだ
…何を言っているんだろう…?
如月 綾音
おっと、名乗ってなかったね。私は如月(キサラギ) 綾音(アヤネ)って言うんだ
リナ・ステアティード
あっ、これはご丁寧にどうも…私は、リナ・ステアティードと言います
この人…白楼さんを知っている…?
如月 綾音
……ねぇ、リナ…あなたは白楼のこと、どれだけ知っている?
…何かしらの意図がありそうだ。この発言は…慎重に言葉を選ばないと…死ぬかも…。
リナ・ステアティード
…一週間の間だけですが、修行をつけてもらってました。その時の様子ぐらいなら…
如月 綾音
…それでもいいよ。教えてほしいな
リナ・ステアティード
…彼は、自身を犠牲にできる人。自身が皆の助けになるなら、喜んで死ねる人。彼は、誰も信頼できていない。…こんな感じ…だと思います
私は、思ったことを目の前の彼女に告げた
如月 綾音
…すごい、そこまで見れる人だなんて…驚いたよ。本当に…驚いた
ふと…嫌な予感がした
その予感は当たっていた。
体をずらさなかったら…死んでいただろう。
そう思える斬撃が、私が元々立っていたところにしっかりと残っていた。
如月 綾音
あら、避けられた
リナ・ステアティード
はっ!
私は一瞬で彼女に近づき、彼女の腹部に拳を入れた
如月 綾音
…っ!いったいなぁ!
リナ・ステアティード
嘘…全然効いてない…?
私は、驚いていた。それもそうだ、私は、吸血鬼となった。その身体能力でも、「痛い」。それだけで済んだのだ。勝てない。そう、自覚する。今の私じゃあ…勝てないと
如月 綾音
全く、苦しみなく終わらせてあげれたのに…ただ苦しみが増すだけだよ?
リナ・ステアティード
………
どうする?どうすればいい?今の私じゃ、絶対に勝てない相手。どうすれば…あっ!
能力があった…。こういう使い方もできるんだ。気づけてよかった。
そう…。
リナ・ステアティード
……逃げ一択です!
如月 綾音
あっ!?
如月 綾音
逃がさないよ!
なんか飛んできてる音が聞こえる!
リナ・ステアティード
時空眼!
咄嗟に目に魔力を集めた。その瞬間、私以外の世界は止まった。
後ろを振り向く。そこには、自分へと向かってきている…えっと、これは…チャクラム…かな?そんなものが止まっている。
リナ・ステアティード
って、そんなこと考えてる暇はない!さっさと逃げよう!
結構長い間走ってる感覚がする。実際はそこまで経っていない…いや、止めてるから経ってすらないのか
リナ・ステアティード
いだっ!
目に痛みが走った。能力を使いすぎた…今日はもう使えない。いや、使えないわけではないが、ここからは目に負担がかかる
…どうする。どうする。どうする!
リナ・ステアティード
…落ち着け、落ち着くんだ。私…焦れば焦るほど上手くいかない
…そうだ。まずは周囲を見てみよう。そうすれば、打開できるかもしれない
左の方向には、広がる一面の平原。右の方向には、祠と思わしき場所がある
リナ・ステアティード
…どうしよう
何かが頬を掠めた
リナ・ステアティード
…なんで…速くない?
如月 綾音
あなたが遅すぎるんじゃないかしら
頬から、血が漏れる。血が顔を渡っていく不快な感覚に襲われる
如月 綾音
さて、わざわざ解除したってことは、何かしらの制限、もしくは代償があるのかしら?
リナ・ステアティード
…教える意味はありません!
私はナイフを投げた。綾音は持っていた武器で軽々と弾く
リナ・ステアティード
…時空眼!
目に激しい痛みが走る。痛い、痛い、痛い痛い痛い。でも、ここで死ぬわけにはいかないんだ
リナ・ステアティード
…祠に!
私は祠に走った。すぐに内部に入る。鍵や、そんな類のものはなかったから安心した
平原方向に逃げても広がるのは広々とした平地。無理やり使用しているから、強制解除される。それなら、祠に隠れて、やり過ごす方が得策のはず
リナ・ステアティード
…解除
強制解除だけはしたら、死ぬ…。あの痛みを声を漏らさずに耐えることはできない。私は咄嗟に近くの柱に隠れた
足音が聞こえてきた。祠に来たのだろう。流石に平原方面には行かないことは分かってるか
如月 綾音
…逃げても無駄なのになー。血が出た時点で、私から逃げるなんて無理なんだから
如月 綾音
ねぇ、そこにいるよね?リナちゃん
…嫌な汗が吹き出す。落ち着け、ブラフだ。出ていったら殺される。…死にたくない。まだ、死ねないんだ
如月 綾音
……まったく、それじゃあ引きずり出すけどいいよね
え?
その瞬間だった。腹部に強い痛みが走った。隠れていた柱から飛ばされる
リナ・ステアティード
っ…!い…た…
如月 綾音
じゃ、おやすみ
綾音が投げたチャクラムがゆっくりと近づいてくる。動け…動け…動け…動け動け動け動け動け動け動け動け動け!
まだ死ねないんだ。死ぬわけには行かないんだ。あの人と約束して、ここに私はいるんだ。約束も果たさずに、死ぬわけには行かないんだ!

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