酷い、夢だ…今更会えるはずのないのに
私のせいで、どれだけ酷い目に遭ったか
私を憎んでいるだろう
私を恨んでいるだろう
会う資格もこんな夢を見る権利もないのに
私は、なんて…傲慢なんだ
頭では理解しているんだ
でも心が追いつかない
2人に縋ってしまうから、抱きしめたくなるから
頼むから、早く覚めてくれ
その判断が間違いだったんだ
そもそも出会っていなければ、あんなことには…
ごめん、全部私のせいだ
本当に、ごめんなさい
“出会わなければ良かった”なんて、思えなくてごめん
出会ったこと全てが嬉しくて
2人が酷い目に遭ったのに…後悔なんてできなくて
どこまでも無責任で自分勝手でごめん
憎んでるだろう、恨んでるだろう
それでいい、そのままでいいから
だから、どうか…“私を許さないで”
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!