noside
今現在、マッシュと神覚者カルド・ゲヘナの勝負が始まろうとしていた
そう言うと、彼の足下が円で区切られる
のほほんとした表情で挑む彼
そして彼は上を指す
と、同時に下から魔法の攻撃が迫ってくる
無理矢理上を向かせるものとなっていたがマッシュは…
横を向いたまま避ける
今度は2方向、右と左を指した
そして両側から魔法が迫ってくる。どちらかを向かなければ避けられない仕様だが……
彼は2つの攻撃魔法を素手の拳で受け止めた
そう言って彼は自身の腰に差していた剣を抜く
ニコリとどす黒い笑みを浮かべて言い放つ
なんとも禍々しい雰囲気だが、当のマッシュは…
ファーンと呑気な雰囲気のままであった
なんなら見守っている仲間達の方が不安を抱えている
今度は三方向
カルド本人がマッシュを斬りつけにかかる
横から来た剣を避けたとき、彼が下を向いたと同時に下から剣が出てくる
マッシュは……飛んだ
なんと、地面の円ごとくり抜いて真上に飛び下を向いたまま避けたのだ
彼にしか出来ないパワープレイに仲間達は呆気にとられる
勝ちかと思ったが……
何処からやって来たのかフクロウがマッシュに近づき……
彼のローブからシュークリームを奪う
カルドの雰囲気が途端に変わる
有無を言わせない圧が彼に向けられる
しかし、数秒後雰囲気は一転して彼はクルリと体の向きを変える
突然自分に矢先が向き、明らかに嫌そうなあなた
周りに助けを求める視線を送るも、皆神覚者相手にはものを言いづらいのかその視線に気付かないふりをする
マッシュと同様、脅されたようにも見えるが皆黙って見送った
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あなた・あなたの名字side
糖尿病まっしぐら神覚者さんに連れてかれたのはとある一室
控え室ともあんまり変わらない広さぐらい
話ってなんだろ…ハチミツのカツアゲでもされるのかな
危ない危ない
この人が認めなきゃ私神覚者になれないんだった…
…
…誰かの幸せを守るために、まずは身近な人から助けていかなきゃいけない
そう思ってしていただけの、ただの自己満足
それをそんなに高く評価されても私の本当の価値には見合わない
一瞬、目の前の人の目が見開かれた気がした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。