第26話

22.猟犬、新たな扉を開く。の巻
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2024/05/24 09:40
薄暗く、ところどころに赤が垂れている冷めた部屋で、二人は淡々と単語を述べていた。

淡々と単語をっていうのは決してダジャレってわけじゃなくてなんかたまたまそうなっちゃっ((
あなた
漆坂佳
ね…捻挫
あなた
斬首
漆坂佳
えっ…しゅ、主婦
あなた
腹上死
漆坂佳
…物騒…!!!
あなた
付き合ってあげてるだけ感謝してよ
漆坂佳
うぅ…
この男は後に死刑となる。

それまで暇なのでしりとりにをしよう、ということになったらしい。
あなた
で、気は済んだ?
漆坂佳
…まぁ…
福地桜痴
…準備が整った
あなた
そう…ねえ、聞きたいことがあるんだけど
漆坂佳
なんだい?
あなた
何故私を守るようなことをしていたのか

そう言いかけて、あなたの下の名前は辞めた。
あなた
いや、やっぱりなんでもない
漆坂が最近犯した密輸や暗殺は、どれもあなたの下の名前に恨みを持って殺そうと考えていた者が関係していた。

そして漆坂は、それを全て一人で、あなたの下の名前に被害が届く前に処理していたのだ。
漆坂佳
…そっか
あなた
じゃあ、さよなら
漆坂佳
嗚呼…約束してくれ。ちゃんとご飯を食べて、ちゃんと寝て、幸せになるんだよ
急に親らしいことを言ったことに少し驚きながら、あなたの下の名前は答えた。
あなた
…貴方の幸せの定義がそれなら、私はとっくに幸せだよ
漆坂佳
その幸せを、手放してはいけないよ。守り続けるんだ
あなた
わかってるよ
漆坂佳
それから…
長い長い漆坂の約束を、あなたの下の名前は黙って聞いていた。
あなた
…わかったよ。貴方とのこの約束を破って、化けて出てこられても困るからね
漆坂佳
破らなくとも、化けて会いに行くよ
あなた
そんなの御免だね。潔く地獄に送られなよ
漆坂佳
嗚呼
あなた
来世は普通の人間になれたらいいね
漆坂佳
ははっ、どうだろうねぇ…
漆坂は嬉しそうに笑ってから、"死"に向かって歩いていった。
あなた
…それで、君たちは何してるの?
クルッとあなたの下の名前が振り向くと。
条野採菊
だから言ったでしょう。気づかれないはずがないと
大倉燁子
それを承知の上で儂らについてきたのは条野じゃろう
立原道造
まぁまぁ…
末広鐵腸
すまない…
あなた
別に見られて困るようなことはしてないし構わないけど…
鉄腸が思ったより申し訳無さそうにするので、あなたの下の名前は少し罪悪感を感じた。
条野採菊
…ところであなたの下の名前さん
あなた
うん
条野採菊
私のこともどうぞ蹴っ…
大倉燁子
儂も!儂もじゃ!
末広鐵腸
俺もだ
立原道造
えっじゃ、じゃあ…俺も
あなた
え、やだけど…
…探偵社のように新たな扉を開いてしまった猟犬たちが何を見ていたかというと…
漆坂佳
やあ、久しいね。我がむす
漆坂がそう言いかけると、あなたの下の名前は漆坂の脛を思いきり蹴り、漆坂が体制を崩したところを踏みつけた。
あなた
ねぇ…どうして生きてるの?
漆坂佳
ぐぁっ…
あなた
貴方を生かした覚えはない
漆坂佳
ははっ…私だって、死んだつもりだったさ
先程とは違う、虚ろな瞳があなたの下の名前を見据える。
あなた
…つまり?
漆坂佳
君は甘かったんだ。元々体力が無いだろう。あれだけ動いたら、途中で力尽きてしまう
あなた
漆坂佳
君は私の腹を刺した瞬間、力尽きて倒れてしまったんだ
あなた
は…ぁ…いや、そういうことか
呟きながら、あなたの下の名前は足を退かす。
あなた
目覚めたらポートマフィアにいたのは、
漆坂佳
途中までは何とか運んだんだけど、目が覚めそうだったから降ろしたんだ
漆坂佳
そしたらフラフラと歩いて行くものだから、大丈夫か心配したのだけど、ちゃんと帰れたようだね
あなた
…それについては感謝しておくよ
ここでちゃんと礼ができる子はモテる()
漆坂佳
はは、どういたしまして
条野採菊
というわけでどうぞ私も蹴っ
あなた
絶対もっと大事なところあったでしょ
亜舞音
速報!!
亜舞音
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亜舞音
いつも本当にありがとう
ございます(*´ω`*)
亜舞音
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亜舞音
明日体育祭なので誰か応援して…

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