兄ちゃんが上京してから,私はしばらく学校にも行かなかった。
日常に意義を感じなかったから。
そんな日常の中で,一つだけ見つけたものがあった。
「小説家」という夢だった。
小説家になってデビューすれば上京できて,兄ちゃんの元に行ける。
思い立ったら即行動するに限る。
タイピング音を響かせ,私は物語制作の道へと進みだすー。
あれから私には,「アニメ化」という新たな夢ができた。
アニメ化を目指すにあたり,漫画で研究もした。
「小説だからこそ,を出すためには?」
「アニメ化する作品の共通点は?」
「どんな題材だったら目に留まる?」
考えに考え,私は小説執筆を続けた。
ー中学2年生
小説を書き始めて,4年。
何度も作品を送って,何度も落ちた。
「もう,やめてしまおうか」
どんなにそう思ったのか計り知れないけど,執筆する楽しさがあって,魅力を感じて,書き続けた。
そして決まった私のデビュー作が
「雨のち虹」
ーだった。
ー中学3年生冬
私の部屋は,いつかの兄ちゃんのように片付いていた。
わくわくして,昨日は全然眠れなかった。
あの日と考えることが真逆すぎて,ちょっと吹いてしまった。
東京での高校生活が,
ー幕を開けた。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。