チーノside
起きたらベッドの上やった、しかも見覚えのないベット、
どうしたんかと思って飛び起きたら、ショッピがいた、
そう言ってショッピは、机の上の武器を指差した、
俺はその武器の中から、気に入ったハンドガンをポケットに突っ込んでおいた、こんないいもの貰わんのは損やもんな、ショッピが、玄関の方に歩いて行ったから俺は後ろからついて行った
玄関に着いたら、ショッピが固まったから何があったんかと、覗き見る、
扉の上にそう書いてあった、こんなこと書いてあったらそりゃあ固まるな…
ショッピは若干切れたような声を漏らしていた。
俺は、文字を何度も見つめ返しこの後のことを考える、
まず、普通に2人で出れるんだったら「どちらかが」、なんて書かれるわけがない、だから、二人で出る可能性はとても低い、
そして、ショッピから攻撃してくることなんてこの感じだと絶対にないだろう、
ならどうすればいいのか、
煽るんや、
火をつけてやるんだ、
そんなこと考えていると
俺は、やっぱりショッピは、二人で出ることを諦めてないんやな、と最終確認をした。
やると決めたらもう引き返さん、演技派の俺に任せとけ!!
そうすると沈黙が始まる、彼は何を思っとるんやろう、
俺とショッピが内ゲバをするなら今までショッピは負けたことがない
火をつけて本気で戦えばきっとショッピが勝つはずや、
一番お前を分かってるのは俺なんやで?ショッピ
さっきポケットにいれたハンドガンをショッピに向けてそう言った。
彼が避けてくれると信じて俺は顔に打った。
もちろん彼は避けてくれたが,彼の綺麗な頬に掠ってしまった。
もう、避けるならしっかり避けてや、
ショッピがびっくりしてこっちを見てきた、そりゃあそうだ
だって彼はここで戦おうとは思ってないはずなんやから、
演技はもう始まってるんや、緩んだ心を出しちゃいかん
本気を出さないと勝てないと思い込ますんや、
お、やる気出してきたな、自分も動かないとやられると思えてるんかな…
相手をそそるための演技か、彼がこの部屋を出るのに近づいた嬉しさか俺はニヤリと笑った。
ショッピが不安そうに聞いてきた。
もし聞かれていたとしても彼はもう戦いを楽しむ狼や、もう止まらん
何のために今、動いてるのか、
もちろん
ショッピに生きてもらいたいからや、
ショッピは、真剣な顔で、俺に向かって、斧を振り回した。
避けようとした所でショッピに足を打たれた、
バランスを崩して倒れたら、手をナイフで刺された。
いつもだったら、ゴム弾、ゴムナイフでやられるとこを体で受け止める、
本気を出しているように見せるためナイフを振り回す。
できるだけショッピから離れないように、攻撃を受けるように、
銃弾を受けて、斧で切られて、
最終的に喉を切られた、
ショッピが俺に声をかけてきた。
あぁ、良かった、ショッピが勝ったんやな、
お前がこの部屋から出れるんやったら何でもいいわ、
おめでとうな、ショッピ、
あなたの負けです、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!