第19話

13話
58
2024/05/11 06:52
メタナイト
ならば仕方あるまい。
メタナイト
力づくでも返して貰うぞ!
メタナイトは闘志をみなぎらせて叫んだ。
ミスター・ダウターは三つのドクロを立て続けに投げつけてきた。
カービィは慌てて避けた。
カービィ
わわわ!やったなー!「ウェーブショット」!
ミスター・ダウターに向けて、激しい水流を放つ。
あなた
よし、私も負けてらんない!「ソード百れつぎり」!
あなたは手にあるソードを使って、ミスター・ダウターを切りつける。
ミスター・ダウター
こざかしい!
ミスター・ダウターは高く飛び上がった。
大きな体を高速回転させて、急降下!
3人は飛び退いてかわした。
着地したミスター・ダウターは、ターバンを外し、器のように捧げ持った。
ターバンから赤いヘビが次々に湧き出してくる。
ミスター・ダウター
ふふふ……お行きなさい、ヘビちゃんたち!
カービィ
わわわわ!
あなた
な、なにっ?!
這いずるヘビに面食らってる間に、ミスター・ダウターは再び大ジャンプ。
3人を押し潰しにかかる。
大きな体に似合わず、ちょこまかと細かい揺さぶりをかけてくる。
手品のような小ワザで相手を翻弄し、隙をついて大ワザを放ってくる気だ。
相手のペースに巻き込まれたら勝ち目はない。
まずは、細かい攻撃を止めなければ。
カービィ
あなた…!少し離れてて!
あなた
…わかった!
カービィには何か作戦があるのか。あなたは従ってミスター・ダウターと距離をとった。
カービィ
メタナイト!
カービィはメタナイトを見た。
メタナイトはカービィの考えを察したように、無言で頷いた。
一瞬で作戦は決まった。
カービィ
いくぞー!「サーファータックル」!
カービィは足元に波を起こし、それに乗ってミスター・ダウターにぶつかっていった。
ミスター・ダウターはサッとかわし、ターバンを外そうとした。
また、ヘビを出す気だ。
カービィ
そうはさせないよ!
カービィは波に乗って、ミスター・ダウターの周りをぐるぐる回り、次々にワザを繰り出した。
カービィ
そーれ、「ウォータークラウン」!「レインボーレイン」!
ミスター・ダウターは手も足も出ず、だんだんいらだちを見せ始めた。
ミスター・ダウター
ええい…うっとうしい……!
ミスター・ダウターはカービィに狙いを定め、ドクロをぶつけようとした。
もちろん、それはカービィの作戦通り。
ミスター・ダウターがカービィに気を取られている間に、メタナイトが彼の背後に回り込んでいた。
メタナイト
食らえ……!
剣の先端から、白熱した光がほとばしった。
限界まで力をためて放つ、激烈なる光線「ナイトビーム」!
ミスター・ダウター
うぉぉぉぉぉ?!
背中に衝撃を受け、口を大きく開いて叫んだ。
カービィ
決めるぞ!「ウエーブショット」!
カービィの口から特大の水が吹き出した。
ミスター・ダウター
んぎゃぁぁぁあ!
ターバンが弾き飛ばされ、ミスター・ダウターは白目をむいてしまった。
メタナイトがミスター・ダウターに歩み寄って言った。
メタナイト
さぁ、ローアのウイングを返して貰おう。
ミスター・ダウターは弱々しくうめいた。
ミスター・ダウター
つばさ…つばさ…あぁ、私の…大事なぁぁぁ!
メタナイト
返す気がないのなら…
メタナイトはミスター・ダウターを睨みつけた。
ミスター・ダウター
わ、わかった!わかりましたよ!返せばいいんでしょ!
すっかり戦意を失ったミスター・ダウターはむっくりと起き上がると、壁に手を当てた。
すると壁の一部が音もなく開いた。
隠し扉になっていたらしい。
ミスター・ダウターはその中に上半身を突っ込んで、ごそごそと何か大きなものを取り出した。
内側からほのかな光を放っている。その光は森で見つけたローアのオールによく似ていた。
あなたが叫んだ。
あなた
あ、見て2人とも!あれって…
カービィ
ローアのパーツだ!
メタナイト
うむ。これは右のウイングだな。
ミスター・ダウターは、未練がましい表情でぐちぐちと言った。
ミスター・ダウター
せっかく、天が私に与えて下さったのに…私のなのに…私の……
メタナイト
文句があるか?
メタナイトに問われるとミスター・ダウターはすくみあがって、首をふった。
ミスター・ダウター
ありませんよ!フン、持ってけ!
ミスター・ダウターは逃げるようにして姿を消してしまった。
カービィは笑顔で言った。
カービィ
パーツは取り戻せたし、歯車もたくさん集まったし、大成功だね!
メタナイト
うむ。順調だ。
メタナイトの声もいつもに比べて明るい。
あなたはキラキラした目で言った。
あなた
凄いよ!カービィ、メタナイト!
あなた
すっごくかっこよかった!
カービィ
えへへ〜。嬉しいなぁ!
カービィ
デデデ大王たちもうまくいってるといいね!
あなた
ワドルディが一緒だからきっと大丈夫だよ!
メタナイト
そうだな。彼のことだから、目的を忘れるような失態はしないだろう。
メタナイト
とにかく、これをマホロアの元へ運ぼう。
カービィ
うん!
あなた
きっとマホロア喜ぶね!
3人は意気揚々と来た道を引き返した。

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