第23話

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2025/11/22 15:00 更新
お風呂場を出ると照以外の皆がいた。
向井康二
あ、あなた出てきた!
渡辺翔太
お風呂上がりのあなた…っ
阿部亮平
ほら、翔太入るよ〜
佐久間大介
うっしゃー!入るぞー!
ぞろぞろと皆が入って行く中でめめが私に近付いてくる。
目黒蓮
髪、濡れたままだと風邪引くよ?
あなた
あ…髪の毛は後で乾かそうと思って…
目黒蓮
部屋にドライヤーあるの?
あなた
ううん、ないけど…
まぁ自然乾燥でもいいかなって。
目黒蓮
ダメだよ。
先に乾かさないとまた熱出たらどうするの。
あなた
それぐらいで熱は出ないから大丈夫だよ。
目黒蓮
ダメ。ここに座ってちょっと待ってて。
無理矢理座らされた後、めめはお風呂場に入っていったと思ったら、ドライヤーを持ってすぐに出てきた。

私が座っているところの近くのコンセントに差すと後ろからドライヤーの音が聞こえた。
あなた
わざわざありがとう。
自分でするよ。
ドライヤーを受けとろうとしたが、めめの手が私の髪に触れた。
目黒蓮
いいから。
俺、髪の毛乾かしてあげるのを好きなんだ。
あなた
い、いいよ…っ
目黒蓮
いいから。じっとしてて。
撫でるように私の髪を触るめめの手は、とても優しくて心地良くて目を閉じた。
目黒蓮
この間、しょっぴーがお風呂上がりのあなたの髪の匂いがヤバいって言ってたけど…こういうことか。
あなた
え?
頭の頂点にめめの顔が近付いて鼻が触れる感触がする。
目黒蓮
いい匂い…
あなた
め、めめ!?
目黒蓮
抱き締めたくなる。
あなた
へ!?
目黒蓮
…と、思ったけどそんなことしたら
あのムキムキの腕に捻り潰されそうだわ。
そう言ってドライヤーの音が切れたのでめめの顔を見上げると
お風呂場の入り口の方を見て笑ってる。


そちらに目をやると怖い顔をした照がいた。
目黒蓮
そんな怒らないでよ。
交代するから。
岩本照
別に怒ってなんかないけど…
目黒蓮
あなた、後は岩本くんに乾かしてもらって。
そう言いながらめめはドライヤーを照に渡してお風呂場に入っていった。
あなた
照…あの…自分でするから…っ
岩本照
めめには髪を触らせるけど俺には触らせたくないの?
あなた
そうじゃないけど…
岩本照
じゃあじっとしてて。
あなた
はい…
照は何も言わずに私の髪を撫でる。

窓に映る照の顔は険しいが私の髪を触る手は優しかった。
岩本照
さっきは…ごめん。
あなた
え?
岩本照
怒らせちゃったから…
嫌な気持ちにさせたのかなって…ごめん。
あなた
謝るのは私の方だよ!
岩本照
え?なんで?
あなた
照の言ってることは正しいのにいきなり声荒げたりして…
あんなのただの八つ当たりでしかないもん。
岩本照
あなた…
あなた
ごめんなさい…っ
私がアイドルの皆とは違うのは当然で皆みたいな派手さとか華やかさなんてなくて当然だけど
それを分かってて大会に出ることを決めたはずなのに…
岩本照
あなたはやっぱり分かってねぇな…
ドライヤーの音が消え、後ろにいた照が私の前に回ってきた。

手にオイルを出して私の頭を撫でるように髪にオイルをつけた。
岩本照
あなたには俺らの中にいても埋もれないぐらい輝けるんだよ。
あなた
そんなわけ…
岩本照
そう思うから今は埋もれてだけ。
俺はあなたに自信を持ってほしい。
俺らのダンスを見てる人が全員あなたに目がいっちゃうぐらいでいてほしいんだよ。
あなた
そ、そんなの無理…
岩本照
無理じゃない。
無理ならあなたと一緒に優勝狙うなんて言わない。
俺達だけで大会に出る。でも俺らはそうじゃなくてあなたと一緒に大会に出て優勝を目指すんだ。
あなた
照…
照は膝立ちになって私の手をぎゅっと握った。
岩本照
出来るんだよ。
今出来てないのはあなたが出来ないって、俺らに負けるって決めつけてるから。
あなた
何で…そう思うの?
私は照達とは違ってその辺にいる平凡な一般人なんだよ?
岩本照
俺が……俺らがこんなにもあなたに魅入られてるから。
あなたから目が離せなくなってる。
真っ直ぐに見つめられながらそう言われて胸がドキッとした。
岩本照
初めてあなたのダンスを見た時の引き込まれ方
今までの人生であんなに吸い込まれるように見入ったことなんてない。
ラウだってそうだ。
それぐらいあなたには魅力があるんだよ。
照の手が私の頬に伸びてきて軽く触れる。
岩本照
だから自信持ってほしい。
自分を見ろ!ぐらいの感じで踊ってみてほしい。
あなた
私を見て欲しい…か。
照はいつもそうやって踊ってるの?
岩本照
うん。俺を見ろって思ってる。
あなた
だから惹かれるんだね…
私にも本当に出来る?
岩本照
出来るに決まってるだろ?
俺が保証する。
頬に触れている照の手に自分の手を添える。
あなた
分かった。頑張ってみる。
今照にそう言われてなんか自信出てきた。
ありがとう。
私が微笑むと照も優しく微笑んでくれた。

照のこの優しい顔を見てると不思議と落ち着く。

照に触れられると力が湧いてくる。


そう思いながら照を見ていると照も私から目を逸らさずにいた。
岩本照
あとさ…
あなた
ん?
岩本照
俺以外にあんま触られんなよ。
あなた
……え?
照の手に添えていた私の手が逆に握られて
照の唇に指が当たる感触がする。
岩本照
髪1本でもあなたに俺以外の誰かが触れてんの見るの嫌だ。
唇に指が当たったまま上目遣いで照に見つめられて、顔が赤くなるのが分かった。


そのまま無言で2人見つめ合う。

なんだか今この世界に私達しかいないんじゃないかってそんな気になる空気が流れた。
佐久間大介
あー!スッキリしたー!
渡辺翔太
整ったー
お風呂の入り口からメンバーの声が聞こえてきて
私も照も慌てて触れていた手を離して立ち上がって
不自然にお互いに背を向け合った。
深澤辰哉
あれ?照ここにいたんだ。
全然こないから…
向井康二
っていうかあなたも照兄もなんで背中向け合ってるん?
っていうかあなたなんか顔赤くない?
あなた
え!?
いや、ちょっと、その、逆上せちゃったかなぁ?
あはは。
ラウール
大丈夫?
あなた
だ、大丈夫!
宮舘涼太
あ、ドライヤーここであなたが使ってたんだ。
あなた
あ、そう…ご、ごめんね?
宮舘涼太
謝ることはないよ。
めめが1つ持っていくねーって言って
すぐ帰ってきたからどこに持って行ったんだろうって思ってただけだから。
阿部亮平
照があなたの髪乾かしてあげてたんだね。
岩本照
いや!別に変な意味とかないから!
阿部亮平
え?変な意味?
岩本照
え、あ、いや…お、俺風呂入ってくる!
照は早足でお風呂場に姿を消して行った。
ラウール
…あなた、岩本くんと何かあった?
あなた
へ?え?いや!何も!
本当に…私も部屋に戻ろうっと!
私も逃げるように早足でその場を後にした。
佐久間大介
…俺らなんか邪魔しちゃった?
渡辺翔太
かもな。
走って自分の部屋に入って扉を閉め、その場に座り込む。

まだ胸がドキドキして照の唇の感触が指に残ってる。


照の唇が当たっていた指でそっと自分の唇に触れる。


分かっていたような気がするのにやっと自分の中でハッキリした。
あなた
私、照のことが好き。
憧れとかじゃない。

1人の異性として照のことが好きなんだ。

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