「あいつら、誰が彼女作るかで賭け事してるらしいぞ。」
真琴の言葉を聞いた瞬間、呆れと怒りで感情が支配された。
「そろそろ夏祭りあるだろ…?あそこまで誰かと付き合ってた奴が勝ちで、付き合ってなかった奴が負けなんだってよ。」
くだらない。
その言葉しか出てこなかった。
それでもそんなくだらない事に愛華が使われていたらと考えると、
心がふつふつと燃えてくるのを感じた。
「は?じゃあもしかしたら愛華がそれに使われてるって事?」
「あぁ…、もしかしたらだけど。」
もしそれに使われていると知ったら、愛華はどんなにショックを受けるのだろうか。
あいつは以前よりどんどん女子力が上がっている…という事は悔しいがあいつ自身はマジなんだろう。
それなのに相手がただの賭け事だったら……
「まぁでも、相手が分からないとどうしようもないだろ。だからお前、愛華ちゃんに聞いて来いよ。」
「そうだな。」
真琴の言う通りだった。
想像だけで勝手にイラついていても意味がない。
俺は1つため息を零すと、
真琴に「教えてくれてありがとな。」と告げ、
愛華の家を目指した。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!