第35話

35話:エレンの決心
289
2025/01/24 14:17 更新

とにかく砲弾は止めなくては。

そう強く思うと、咄嗟に体が動き私はアルミンの隣で敬礼をした。

トンッ
あなた
お待ちください!
今ここで我々を殺してしまったら人類にとって大変大きな損害です‼︎
私がそう思い切り言うとヴェールマン隊長の手が止まった。
ヴェールマン隊長
いっ…言っただろ!
命乞いに貸す耳はないと__
あなた
命乞いをしているのではありません!
彼を利用するべきだと言っているのです!
あなた
彼は巨人の姿になり自分の思うように体を動かせる事が可能です!
ならば巨人共を倒し土地を奪還する事、兵力の消費を削減する事も可能!
あなた
彼は先程貴方方が砲弾した時、私達を守るためだけに巨人の力を使いました!
そして貴方方に攻撃する事が出来てもしなかった!
これは彼が人類の味方である証拠であります!
アルミン
あなた…
駐屯兵団
『ザワザワザワ…』

何とか言い切った。

私の言葉はアルミンの言葉より説得力があるとは思えないけど、周りの兵士達には効いてるみたいだし、ヴェールマン隊長も手を下げた。

多分私に説得されたのではなく力が抜けてしまったからだろうけど。

するとある男がヴェールマン隊長の肩に手を乗せた。
ピクシス司令
相変わらず図体の割には小鹿のように繊細な男じゃ
ヴェールマン隊長
ピクシス司令…!
ピクシス司令
お前には彼等の見事な敬礼が見えんのか?
ピクシス司令
今着いた所だが状況は早馬で伝わっておる
お前は増援の指揮につけ
ピクシス司令
儂はあの者等の話を聞いた方が良い気がするのぉ
ドサッ

アルミンが安堵の顔をして膝を着いた。
アルミン
ハァハァ…
あなた
アルミン、大丈夫…?
アルミン
ハァ、大丈夫…今はね…
私達4人はピクシス司令に付いていき、壁を上った。
ピクシス司令
やはり見あたらんか…
超絶美女の巨人になら食われても良いんだがのぉ
ピクシス司令は人類の最重要区防衛の全権を託された人物だ。

そして生来の変人としても知られているらしい…。

壁を上った後、エレンはピクシス司令に事の成り行きを詳しく話した。
ピクシス司令
そうか…
ピクシス司令
その地下室に行けば全て分かると…
エレン
はい…
信じてもらえますか?
ピクシス司令
お主自身が確証を得られん以上はとりあえず
頭に入れておくといった所かのぉ
ピクシス司令
しかし、物事の真意を見極める程度の事は出来るつもりじゃ
お主等の命は儂が保証しよう
良かった、とりあえずピクシス司令の権限下にいれば殺される事はないな…。
ピクシス司令
アルレルト訓練兵、並びにミラチェーン訓練兵だったかのぉ
アルミン
はっ!
あなた
はっ!
ピクシス司令
お主等は先程、巨人の力とやらを使えばこの街の奪還も可能だと申したな
ピクシス司令
あれは本当にそう思ったのか?
それとも苦し紛れの命乞いか?
あなた
それは…
私はアルミンと目を合わせ軽く頷き合った。
アルミン
…両方です
アルミン
あの時僕が言おうとした事は
巨人になったエレンが破壊された扉まであの大岩を運んで扉を塞ぐ事でした
アルミン
ただ単純に思いついただけですが…
アルミン
せめてエレンの持つ力に現状を打開出来る可能性を感じてもらえないかと…
アルミン
もちろん助かりたい一心でしたが…
ピクシス司令
うん…
助かりたい一心、何より信頼出来る言葉だ
そして水筒をぐびっと飲み、エレンの前に座った。
ピクシス司令
どうじゃ、イェーガー訓練兵よ
エレン
はい…
ピクシス司令
お主は穴を塞ぐ事が出来るか?
エレン
っ!
エレン
それは…その、どうでしょうか…
エレン
今の自分に分かる事なんて…
ここにいる皆んなとそう変わりません…
なので、自分はここで出来るにしろ出来ないにしろ無責任に答える訳には…
ピクシス司令
嗚呼そうじゃのぉ、すまんかった
ピクシス司令
質問を間違えてしもうたわ
ピクシス司令
お主はやるのかやらんのか、どっちだ
エレン
……やります、やります!
エレン
穴を塞げるかどうかは分かりません
でも、やります!
ヒューッ

と開けられた穴を通る風の音が聞こえた。

エレンは心を決めたようだった。


プリ小説オーディオドラマ