― 黄side ―
ただ今の時刻、9時30分。
僕は駅のホームで人を待っているところです。
誰を待っているのかというと、……そう、青くん。
この僕があの青くんと休日の朝から待ち合わせしてるという、ありえない状況。
これもすべては、バ会長のせいだ。
―――――
そういうわけってどういうわけだよ。
バ会長てめえ何考えてんだよ。
バカにもほどがあるぞ。
と、かなり抵抗したのだが途中で赤までが会長に加勢し、押し切られてしまった。
いやほんとうに、何を考えているんだ、会長と赤。
僕、会計くんにめっっっっちゃ嫌われてるんですよ?
二人で遊びに行くなんて、気まずさ選手権ぶっちぎりの一位に決まってるじゃん。
しかもなんで行き先がお花畑なの?
ピクニックって、会長の嗜好がまったくわからん。
ため息をつくと同時に、向こうに水色の人影が見えた。
…しかたがない。
行くとしますか。
― 青side ―
明るい日差しと、咲き誇る花々。
どこからか小川の音も聞こえてくる、初夏も近い野原。
……そして、その平和な空気が突如として遮断されたこの空間。
3メートルくらい間隔をあけて座っている、俺と副会長。
美しいお花畑の真ん中にいるにもかかわらず、俺たちは絶賛気まずい中だった。(?)
顔を見合わせる俺たち。
俺はあわてて目をそらそうとした。
そのとき、ふいに副会長がくすっと笑った。
副会長の黄色い髪が、そよ風にふかれてさらさらと揺れた。
黄金色の瞳が、笑みをたたえて俺を見ている。
凍り付いていた空間の空気が、やっと溶け始めた瞬間だった。
―――――
急に黄くんが接近して、俺が箸でつまんでいた食べかけの唐揚げをぱくっと食べた。
黄くんが、苦しそうに頭を押さえた。
黄くんは、俺のそばからあわてて離れた。
俺が近づこうとすると、あわててあとずさる。
かたくなな黄くんを見て、とりあえずはそれ以上ちかよらなかった。
いったいどうしたんだ?
青ちゃん、と呼ばれたことに思った以上に動揺した。
あわてる黄くん、かわいい…って、何考えてんだ、俺。
さらに動揺して、俺と黄くんは二人そろってあわあわしていた。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!