第22話

お花畑でピクニック
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2021/05/08 11:41 更新



― 黄side ―










ただ今の時刻、9時30分。



僕は駅のホームで人を待っているところです。



誰を待っているのかというと、……そう、青くん。



この僕があの青くんと休日の朝から待ち合わせしてるという、ありえない状況。



これもすべては、バ会長のせいだ。











―――――









桃
そういうわけで、おまえ、青と遊びにいってこい
黄
はぁぁぁ!!!!!!!!!!!!????????



そういうわけってどういうわけだよ。



バ会長てめえ何考えてんだよ。



バカにもほどがあるぞ。



と、かなり抵抗したのだが途中で赤までが会長に加勢し、押し切られてしまった。



いやほんとうに、何を考えているんだ、会長と赤。



僕、会計くんにめっっっっちゃ嫌われてるんですよ?



二人で遊びに行くなんて、気まずさ選手権ぶっちぎりの一位に決まってるじゃん。



しかもなんで行き先がお花畑なの?



ピクニックって、会長の嗜好がまったくわからん。



黄
…はぁ…



ため息をつくと同時に、向こうに水色の人影が見えた。



…しかたがない。



行くとしますか。


























― 青side ―












明るい日差しと、咲き誇る花々。



どこからか小川の音も聞こえてくる、初夏も近い野原。



……そして、その平和な空気が突如として遮断されたこの空間。



3メートルくらい間隔をあけて座っている、俺と副会長。



美しいお花畑の真ん中にいるにもかかわらず、俺たちは絶賛気まずい中だった。(?)



黄
(つらい帰りたい赤に会いたい)
青
(つらすぎるはやくみるたに癒されたい)
黄
(青くんこええ何考えてんのかわからん)
青
(そういえば副会長の腹黒衝撃的だった)
黄
(うわこっち見た死にそう)
青
(今にも俺のこと殺したいとか考えてんのかな)
黄
(なんか急に殴られそう…って、まだ腕完治してないんだった)
青
(俺ずっと嫌ってたもんな…)
黄
(そうだあの時のお礼言わないと)
青
(あやまるなら…今か…)
黄
あ、あのっ
青
あの、さ
黄
へっ?
青
え?
黄
なんですか?
青
なに?
黄
……(かぶった)
青
……(かぶった)


顔を見合わせる俺たち。


黄
……
青
……



俺はあわてて目をそらそうとした。



そのとき、ふいに副会長がくすっと笑った。



黄
…ふふっ
黄
かぶっちゃいましたね(*´▽`*)
青
っ…///



副会長の黄色い髪が、そよ風にふかれてさらさらと揺れた。



黄金色の瞳が、笑みをたたえて俺を見ている。


青
そ、それで、なに?
黄
ああ…
黄
この間、僕を不良から助けてくれて、ありがとうございました
青
なんだ、それか…
黄
黄
何かほかにありましたっけ?
青
いや、てっきり殺すよとか言われるかと…
黄
は?(腹黒
黄
じゃなかった、えー?
僕がそんなこと言うわけないじゃないですかー
青
いやこの前思いっきり不良に暴言はいてたよね?
青
もう完全にバレてるよ?
黄
…しょうがないですね
黄
いずれはばらさないといけないって、会長にも言われてましたし
黄
でもこれだけは言っておきますよ
バ会長に何を吹き込まれたのか知りませんけど
黄
僕は殺すよなんて言ったことはありません(圧
青
うそつけw
黄
(゚Д゚;)?
青
副会長、うそつくとき、
右耳に髪をかける癖があるんだよね?
青
今やってた
黄
…バ会長が…どこまで見てるんだ?
青
ww
青
あ、そうだ、
俺のこと、青くんって、呼んで
黄

どうしてですか
青
いやだって青さんって、すごい呼びにくそうだし
黄
…すみません、お言葉に甘えさせてもらいます
黄
僕のことも、黄くんって、呼んでもらってかまいませんよ
青
うん、黄くん
黄
…へへ、青くん



凍り付いていた空間の空気が、やっと溶け始めた瞬間だった。













―――――











黄
…どうですか、僕のからあげ?
青
いや自分が作ったみたいな言い方すなww
黄
ちゃんと作りましたよ、コンビニの入れ物からお皿に移し替えたじゃないですか
青
それは作ったとは言わねーよww
黄
文句があるなら僕が食べます



急に黄くんが接近して、俺が箸でつまんでいた食べかけの唐揚げをぱくっと食べた。


青
(いやなにしてんの黄くん!?)…///
黄
ほらおいしい…って、うっ…!!!
青
どうしたの!?



黄くんが、苦しそうに頭を押さえた。


黄
だ、大丈夫です


黄くんは、俺のそばからあわてて離れた。
青
大丈夫…?
黄
あ、だ、大丈夫です、


俺が近づこうとすると、あわててあとずさる。


黄
大丈夫ですから…



かたくなな黄くんを見て、とりあえずはそれ以上ちかよらなかった。



いったいどうしたんだ?


黄
あ、そ、それより、青くんもさっきなにか言いかけてましたよね?
黄
なんて言おうとしたんですか?
青
あ、ああ…
青
…あやまろうと、思って
青
ごめん、俺、ずっと黄くんのこと嫌ってた
黄
…今は?
青
え?
い、今?今は…
黄
あ、ご、ごめんなさい、何言ってんだろ僕
青ちゃん忘れて!
青
青ちゃん!?///
黄
へっ!?あ、ごごごめんなさい
青ちゃ…じゃない青さん!じゃない青くん!!
黄
わー!!もう全部忘れてー!!
青
……///



青ちゃん、と呼ばれたことに思った以上に動揺した。



あわてる黄くん、かわいい…って、何考えてんだ、俺。



さらに動揺して、俺と黄くんは二人そろってあわあわしていた。



黄
え、えーっと…
黄
それで、よければ、僕を嫌っていた理由を教えていただけますか?
青
…うん

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