...胡蝶先生と、胡蝶さんがほぼ同時でバトン渡しゾーンに入ってくる。
...相手は姉さん。
...できるできないじゃない。やらなきゃならないことがある。
...あれ??この言葉何処かで聞いたことがあるような??
...気の所為だね!!!!!!
そして、姉さんと私は同時に走り出した。
______はずだった。
まさかの姉さんにぶつかって、体格差で転んでしまったのだ。
...数秒のタイムロス。姉さんはもうすでに10メートルほど前を走っている。
...さすが姉さん。化け物級に早い。((
って姉さんを見ている場合じゃない!!!!!
...よし。
使えるものは、使ってやる。
...この瞬間だった。
私の足の速さが尋常でないほどに上がったのは...!!
...佐藤くんは、"さとう"という音だけ皆に覚えられていて、漢字は覚えられていなかったらしい。
...前世藤の花の家紋の家の跡継ぎ息子だったんだとか。
これは多分、前世で佐藤ではなく周りから"粉砂糖"と呼ばれたことが原因...なのかもしれない。((
そんなことはおいておきまして(?)
残り五十メートル。2人の差はわずか5メートル程。
残り三十メートル。2人の差はどんどん縮まり、差は三メートルに。
残り十メートル。ついに2人が並んだ。
....残り一メートル。
_____残り、50cm。
____残り...
”零”。
川崎あなたの下の名前は、
...テープを切って、見事一位でゴールした。
...はずだった。
残り零メートル...厳密に言うと残り"零点一"ミリメートル。
...このタイミングで、川崎あなたの下の名前の頭の中を何かがよぎった。
...そう叫んだ、記憶だった。
...全身が凍りつく感覚で、誰かの名前を本当は言いたかった。
...本当の名前で、呼びたかった。
でも、それは呪いによって阻害された。
言霊、としてあなたの下の名前が発した言葉はほとんどが呪われるのだ。
だが、おにぎりに対して殺意を抱くものなど早々変わった人間ではないといない。
そしてその時発した言葉が、おにぎりだったのだ。
...今なら呼べる。
そう。
"御館様"。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!