2月20日、山本はご機嫌でパソコンに向かっていた。
鹿野が画面を覗き込むと、そこには漢字パズルがいくつかあった。
そんなやつあったっけ、と鹿野が呟くと、山本が首を振る。
鹿野の申し出に、山本は嬉しそうに何度も頷いた。
2月21日、この日誕生日を迎えた長野は、他の社員や社長からのお祝いの言葉や品物をたくさん貰い、上機嫌で帰ろうとしていた。
問が気づいて声を掛ける。
問の教育係でもある長野は、微笑んで頷いた。
そう言って荷物を持ったとき、山本が大声で呼び止める。
長野は山本の言葉でその事実に気づき、足を止めた。
他の人からのプレゼントがあまりにも多かったため、彼が正直1番期待していた2人からまだプレゼントを貰っていなかったことに気が付かなかったのだ。
そう言って笑ってくれる山本に感謝しつつ、長野は怪訝な顔をした。
どうやら分厚い漢字辞典などを持ってきているわけではなさそうだ。
長野の問いに、山本は得意げに5枚の紙を取り出す。
鹿野が手をパーに開いた。
とんでもない難問でも用意されているのか、と長野は身構える。

眉間にシワを寄せる問を横目に長野はしばらく考え、納得したように頷いた。
長野が訊くと、山本はさも当然かのように首を横に振る。
困惑する長野をよそに、鹿野は2枚目の紙を見せた。

今度は少しだけ悩む様子を見せる。
3分ほど考え込んだあと、ハッと閃いたように顔を上げた。
緩く喜んだのも束の間、すぐに第3問が出される。

長野はすぐに答えが思いついたようだが、どこか不安そうに答えた。
そんな長野の不安は、山本の明るい声で消し去られた。

長野が微笑んで言うと、山本も機嫌を直したのか気持ちを切り替えたのか、最後の1枚を差し出す。

これまた少し不安そうに即答する。
山本はぱあっと顔を輝かせた。
素直に喜んでいた長野は、山本の言い方に疑問を持つ。
ニヤニヤする山本の隣に、鹿野がひょっこりと顔を出した。
2人は何もせず、ただ長野を見ている。
すると山本はキョトンとして長野を見返した。
驚きのあまり濁点付きのセリフになってしまった長野を、2人はただ無言で見ている。
長野は「本番」だと言われた2問目から5問目までの答えを見直した。
「恪」「勤」「精」「励」……この4字を繋げたとき、長野はあることに気づく。
山本が嬉しそうに大きく拍手し、隣で鹿野が笑顔で解説をする。
山本が続ける。
長野はそれを聞いて納得し、微笑んだ。
やっぱり長野くんといえば漢検一級組かな、と
ほぼ1日終わってますね、遅くなってしまいすみません🙏🏻
初登場は鹿野くんでしたね!口調まだ掴めない……
そろそろ登場人物が多くなりすぎて、吹き出しの色被りそうです
長野くんHappy birthday🎉












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。