Side - HAECHAN
マネージャーたちに支えられながら
涙を抑えて戻ってきたあなた 。
終わってしまった 。
8 人で活動できる日が 。
もうずっと前から覚悟していたことなのに
終わってみたら達成感と喪失感が混ざり合って
苦しかった 。
でも同時に 、嬉しかった 。
初めて 、あなたが 、
自分の気持ちをあらわにして
涙を見せたことが 。
よかった 、あなたは僕たちを
ちゃんと想ってくれてるんだって 。
私服で参戦してくれた
あなたの友人が次々と入ってくる 。
あれ 、まだいる ?
芸能界では特異的な僕たちで 、
あなたも近寄りがたい高貴な雰囲気があるからか
あまり友達はいないけど 、
二人に肩をさすられて
すっかり安心しきっていた 。
涙の跡があっても 、
すぐに周りのお陰で笑顔に戻ったあなたに 、
僕たちから最後にできる
最大のプレゼントの時間だ 。
メンバーたちも緊張した面持ち 。
あなたがどんな反応をするんだろうって
いつも冷静なジェノでさえも
顔を強張らせている 。
マネージャーヒョンと目を合わせて 、
頷くと 、
舞台裏の控室の扉が
ゆっくり開いた 。
まるで 、スローモーションのように 、
その扉から入ってくる人を待った 。
緊張が走ったこの空間で 、
親子は何も言わずに黙った 。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!