あなたの下の名前 side
……
声ちっちゃ。
警戒されてる。まぁ、無理もないよね。
先程、強く言い過ぎちゃったから。
いくら、犯人だとは言え、
追い詰めて、傷付けるのは違う。
私は感情を忘れたから、どうともなるけど、
他の人はそうじゃない。
心がちゃんとある。
人の心は脆い。硝子玉のように。
些細な事で心にヒビが入り、簡単に粉々になる。
私はその感覚を、何故か覚えている。
今はそんなことに構ってる暇は無い。
しのぶ姉さんから教わったやり方を遂行するだけ。
やっぱり……。
こんな厄介な血鬼術使うの、十二鬼月しかいないよね。
それにしても、下弦の参か…
私は大丈夫だけど、あの3人は……。
……まずは、実力を見てから決めるか。
何それ…
相手の技の開示…ってことは、
繰り出そうとしている技を公開して視えるって
ことだよね…。
それだけじゃない。人に紛れて生活してるって、
まるで、まるで…………
“鬼舞辻無惨”みたいじゃないッ____
この戦い、完全に”詰み”と判断した。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!