提案者 : 天海 柊
お嬢様の1日はそんなに甘くない
ダンスのレッスンや言葉の使い方
マナーなどは特にきっちり指導される
私がやりたくないこと,とかもね
婚約者探しのパーティも,もう うんざり
「 続いてのニュースです。昨晩,
R国に予告状が届きました」
今巷で噂の〝 怪盗 〟
その怪盗は自身が欲しいものは何がなんでも
手に入れる…らしい
怪盗が私のことも奪ってくれたら
見える世界は変わるのだろうか
何にも縛られず,自由になるのだろうか
『 お嬢様,奥様がお呼びです 』
またパーティか…
近寄ってくるのは顔や金目当てのやつばかり
そんな事は当然お母様には言えず
心の奥底で思っている
この城の人達でお母様に逆らえる者はいない
もし逆らったら…
普通の女の子が良かった
私はこの生活を望んでなんかいない
〔 L国 城 〕
城の中は豪華な飾り付けがされており
大勢の貴族や貴婦人がいる
そっか,L国の王様はお金持ちなんだっけ
『 これはグリード御一家,今夜は
パーティに参加してくださり感謝致します 』
城の中をお母様と見て回っていたら
後ろからいかにも身分が高そうな人に
声をかけられた
『 素敵なパーティに招待していただき
ありがとうございます 』
『 こちら私の娘の
グリード・あなたのカタカナ 〔 御名前 〕と申します 』
あまり関わりたくなかったので
ぺこり,とお辞儀だけ返しておく
『 ご丁寧にありがとうございます 』
『 セイント家当主の⚪︎⚪︎とその息子の
レイマリと申します 』
セイント・レイマリ…少し聞いたことがある
なんでも,この世界の中心となる
〝 リーパー・メメ 〟と知り合いなのだとか
ここのパーティに参加している人達は大体
婚約者探しの人ばかり
リーパー・メメと知り合いなら
権力がある女性と婚約できるのでは?
お母様がセイント当主と
少し離れたところで話している
私は外の空気を吸おうかと思い席を立った
急に声をかけられ驚いたが
なんとか平常心を保てた
〔 城外 〕
外へ出るなり彼が質問して来た
「 あ… 」と自分が誰に
敬語じゃなかったか気づいた
そう私に微笑む彼は
はっきり言って美しかった
〜
そこからはお互いパーティの
不満や愚痴で話が弾み仲良くなった
〜
さっきまでとは真剣な眼差しでこちらを見る彼
何か大切なことなのだろうか
〝 怪盗 〟
怪盗といえばこの世に1人しかいない
世界に名を轟かせている怪盗フェイトの事だろう
『 レイマリ様,当主様がお呼びです 』
「 なんで聞いたの? 」
と質問したかったがセイント家のメイドが
そうレイマリに言った
外はもう暗くなっており,星が見える
この時間帯に呼び出しということは
そういうことだろう
そう言ってメイドと一緒にパーティへ
戻って行った
〜
1人寂しく残った外でため息をつく
今すぐにでも私を奪って欲しい
解放して欲しい
想像以上に長かったので次へ続きます。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。