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第7話

《未公開取材ノート 記者:永露潤久》
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2025/10/18 15:29 更新
記録というものは血が流れない。  
だからこそ、記録を書く人間だけが痛みを覚える。

黒塚芳雄の瞳に、恐怖は一滴もなかった。
あの指の動作は、観測者として完璧だった。
だが――その完璧さの中に、何かが欠けていた。
観測した者と観測された者、その距離を埋める何かが。

私の取材ノートの隅には、焦げたような金色の線が走っている。
あれは照明の写り込みではない。
何を撮ったのか、自分でも説明できない光の軌跡だ。

誰もいない深夜の編集室で、それを見つめていると、
ふと、あの落下した光が自分を覗き返している気がした。

もしそれが“人”だったなら、
私は記事をどんな言葉で終わらせただろう。

――「観測終了」
あの言葉はあまりに冷たく、あまりに美しい。

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