第5話

第五話「未来のこと」
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2020/12/30 07:12
糸宮 咲
糸宮 咲
さて、会議を始めましょうか。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
えっとぉ……これからどうするか、だよね?
早崎 光汰
早崎 光汰
何年かはここで過ごす、ってのは
確実に決定だろ。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
あぁ、問題はそこから先だな。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
私は、15になったら
兵士になる!
糸宮 咲
糸宮 咲
……本気なの?夏穂。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
うん。私は、
私達みたいな人を助けてあげたい。
それに魔族をぶっ倒すには
ちょうどいいと思うんだ。

まぁ、そこしかないけど。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
なら俺も兵士だな。
出たよ。怜央のその場に合わせる癖。
面倒くさいって適当に決めちゃうんだから。
それも大体私の真似で。
早崎 光汰
早崎 光汰
はぁー……なら
面倒役で俺もだろ。
何よ、それ。
糸宮 咲
糸宮 咲
私は夏穂が行くなら行くわ。
だから、何よそれ?
でも、
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
みんな、ほんとにいいの?
糸宮 咲
糸宮 咲
えぇ、私が決めたことだもの。
後悔はないわ。
早崎 光汰
早崎 光汰
まぁ俺も行く当てないしな。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
俺も別に。
てことで兵士になれる15歳まで
ここで過ごすってことになるな。
正直、嬉しかった。
一人は寂しいし、
みんながいるなら心強い。

いや。
みんなが私の我儘についてきてくれることが
単純に嬉しかった。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
ありがとうっ!
錐妖 怜央
錐妖 怜央
……はぁ。
糸宮 咲
糸宮 咲
ほんっと鈍々のお姫様……ね?
早崎 光汰
早崎 光汰
いい加減うざったいよな。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
え、え?!
何よ?!
錐妖 怜央
錐妖 怜央
別に、夏穂には関係ない。
糸宮 咲
糸宮 咲
あら、大ありよ。
相変わらずよく分からない話をして、
久しぶりにたくさん笑った。
あれから3年後。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
兵士適正試験とかもうホント無理ぃー……。
糸宮 咲
糸宮 咲
あら、あんなに勉強したんだもの。
夏穂なら平気よ。ニコッ
早崎 光汰
早崎 光汰
落ちたら笑ってやるよ。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
まぁ、かなり甘く見られてるんだろ?
糸宮 咲
糸宮 咲
あの時大きな被害にあった
リアロ地区出身者だから
面接と筆記は免除されてるそうよ。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
実技がパスから良かったのに……。
早崎 光汰
早崎 光汰
天才がそう言うとうざい。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
まぁ夏穂は昔から何でもできるからな。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
えぇー、そうかな?
糸宮 咲
糸宮 咲
一番不安な実技が
免除されないんだものね。
そう、実技って魔法と基礎的な戦闘センスが
問われることしか分からないから
一番怖い。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
私自然魔法以外は
全然だもんなー。
糸宮 咲
糸宮 咲
私も水系の魔法以外が出たら死ぬわね。
早崎 光汰
早崎 光汰
あー、俺
重力系以外出たらどうしよ。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
別に俺は基本なんでも。
基本的にみんなそれぞれ得意魔法がある。
私は自然系魔法。
咲は水系魔法。
で光汰は光系魔法。
怜央は空間魔法が一つ飛び出てて
その他の魔法もそこそこできるっていう
稀にいる才能の持ち主……天才なんだけどね。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
うぅ……緊張してきたぁ。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
そうか?
糸宮 咲
糸宮 咲
みんなそれぞれ試験会場、違うわよね?
それじゃあ、また。
みんなが受かることを祈ってるわ。
私たちは、試験会場に向かった。

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