地上は天族の話で何処も持ちきりだった
世界会議が行われる建物は、海からも近くいつも観光客で賑わう。今日は天族の姿を一目見ようと各国から報道陣や人々が集まっていた
各国の代表が建物へと入る中、人々は今か今かとその姿を待ち望んでいた
誰かがあげた声で皆が上を見た
空に…いや、空間にはぽっかりと穴が空き冷たい空気が流れ込む。そして白い翼を背に持つ、伝説と謳われた種族が地に足をつけた
チラリとこちらを見た女の瞳は宝石の様に輝く
純白の三人は建物へと姿を消し、辺りは騒然とする
隣に座り妖艶と微笑む茨の女王、隣にはマレウス、後ろにはリリアもいた
少しの粗相も許されない空気、今回の議題で間違いなく運命が変わる
視線が集まる。見定めるような、疑いをかける視線だ
理解が追いつかない事ばかりで皆頭を傾げる
あの時馬鹿らしいと従わなかった国は気まずそうに下を向く
小太りの男は恥たなく席を立ち、隣の男が諌める様に言う
この空気の中けらけらと笑うのはマレノアの母だと言えよう
笑いが収まったのだろうが、悪巧みの様な笑みは消えていない。視界の端で見えたイデアは愁いの視線を男に送っていた
二つの国の王と視線が合い、二人は敵意もなく微笑むだけだ
考えないのではなく、考える余地もないのだろう。すなわち、違反した国は消される
こうして世界会議は幕を下ろした
帰り際、思い出して宰相として来ていたレオナを引き止めた
相変わらず長命種の感覚はバグってるなと言いつつもチェス一式を嬉しそうに受け取った
それだけ言って三人はさっさと姿を消した


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。