第3話

03.
97
2026/05/11 14:07 更新
あの日から、一週間はあっという間だった。
JO
じゃあね
その一言で、全部が終わるなんて思ってなかった。
あなた
……うん、またね
"またね"なんて、簡単に言える言葉じゃなかったのに。
JOくんがいなくなった教室は、少し広く感じた。
友達
なんか、静かだね
友達がそう言って笑う。
あなた
そうかな
あなたも笑う。

ちゃんと、いつも通りに。


────なのに。

放課後になると、足が勝手に"あの場所"へ向かう。


校舎裏の小さな花壇。

オレンジ色の花は、あの日と同じように咲いている。
あなた
……来てない、よね
分かってる。

今日は約束の日じゃない。

それでも、期待してしまう自分がいる。

スマホを開く。

最後のメッセージは、JOくんから。

"着いたら連絡する"

それだけ。


────まだ来ていない。

そう言って、何度も画面を見返す。

既読はついたまま、返信はない。
あなた
忙しいだけ、だよね
誰に言うでもなく、呟く。
季節は、少しずつ進んでいった。


約束の日。

あなたは、少し早めに家を出た。
あなた
……早すぎたかな
まだ人も少ない時間。

花壇の前に立つ。

オレンジ色の花が、朝の光に照らされている。
あなた
……
時間が過ぎる。


10分。

30分。

1時間。
あなた
……遅れてるだけ
そう言い聞かせる。


でも、


日が少し傾き始めても────
あなた
……来ないんだ
その一言は、思っていたよりも静かに出てきた。

涙も、出なかった。
あなた
……帰ろ
振り返る。

その時、風が吹いて花が揺れた。

まるで、何か言いたげに。


でも、その意味を考える余裕はなかった。

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