あの日から、一週間はあっという間だった。
その一言で、全部が終わるなんて思ってなかった。
"またね"なんて、簡単に言える言葉じゃなかったのに。
JOくんがいなくなった教室は、少し広く感じた。
友達がそう言って笑う。
あなたも笑う。
ちゃんと、いつも通りに。
────なのに。
放課後になると、足が勝手に"あの場所"へ向かう。
校舎裏の小さな花壇。
オレンジ色の花は、あの日と同じように咲いている。
分かってる。
今日は約束の日じゃない。
それでも、期待してしまう自分がいる。
スマホを開く。
最後のメッセージは、JOくんから。
"着いたら連絡する"
それだけ。
────まだ来ていない。
そう言って、何度も画面を見返す。
既読はついたまま、返信はない。
誰に言うでもなく、呟く。
季節は、少しずつ進んでいった。
約束の日。
あなたは、少し早めに家を出た。
まだ人も少ない時間。
花壇の前に立つ。
オレンジ色の花が、朝の光に照らされている。
時間が過ぎる。
10分。
30分。
1時間。
そう言い聞かせる。
でも、
日が少し傾き始めても────
その一言は、思っていたよりも静かに出てきた。
涙も、出なかった。
振り返る。
その時、風が吹いて花が揺れた。
まるで、何か言いたげに。
でも、その意味を考える余裕はなかった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!