スーツケースを預け向かうのは
搭乗口
1歩、また1歩と足を踏み出す度
重みが増していく
あと一歩踏み出したら
もう、戻れない
👩✈️「……お客様…?どうかいたしましたか?」
こんな所で立ち止まったら迷惑になる
進まなきゃ……
大きく踏み出した振動は
私の体に響き渡り
少し体が震えた気がした
チケットを見ながら自分の席に腰を下ろす
アッパが手配してくれたのは
もちろんファーストクラス
一通り荷物を整理して窓の外に目を向けた
……直に動き出す飛行機
ぐんぐんと加速していき
体に圧がかかる
みんなと飛行機で色んな国を周り
慣れていたはずなのに
今は凄く苦しくて胸が押しつぶされそうだった
窓の外を見つめていた私が見たのは
展望台から叫んでいるような
離陸寸前の飛行機の音でオッパの声なんて聞こえる訳もなく
慌ててシートベルトに手をかけるも
👩✈️「お客様!?離陸致しますのでお席にお着き下さい」
CAさんに止められもう一度窓の外を見た時には
機体は地面から離れ
豆粒のように小さな人が一人展望台に立っていた
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!