第8話

変な子
106
2026/01/03 11:57 更新
その日は、やけに空が高かった。
坂本太郎
あなた、これ届けてきて
坂本さんに渡されたのは、

殺連宛ての小さな封筒。
坂本太郎
場所、分かるか?
あなた
………はい
分かる。

分かりすぎるほど、分かるよ。



南雲は今日は同行しないらしい。

シンは別任務。
あなた
(……1人か)
扉を開けた瞬間。

――聞こえた。
赤尾リオン
あっははは! それ遅いって!


明るくて、軽くて。

でも芯のある声。
あなた
(……やだ)
あなた
(もう無理……)
視界の奥で、

水色の髪が揺れた。



訓練用ナイフを軽々と避けながら、

笑っている人。
あなた
赤尾リオン…
本物だ。






生きてる。


嬉しいのか寂しいのか分からない感情が押し寄せて、

胸の奥が、ぐちゃっとなる。
赤尾リオン
お、誰か来た
リオンが、こちらを見る。
あなた
(…目、合った。推しと………)
赤尾リオン
……あれ?あんた、見ない顔だね
にかっと笑う。


その笑顔が、

“これから失われるはずのもの”だと、私は知っている。
あなた
……。
声が出ない。
あなた
(無理だよ)
あなた
(推しが目の前にいるとか、
 耐えられるわけない)
赤尾リオン
ねえ、大丈夫?
リオンが、私の前に来る
赤尾リオン
顔色悪いよ?
あなた
……っ
気づいたら








私は泣いていた。
赤尾リオン
え!?
リオンが、目を見開く
赤尾リオン
ちょ、え、なに!?
私、なんかした!?
あなた
してません……!
慌てて袖で涙を拭う。
あなた
(だめだ、感情制御できてない)
あなた
……その
私は、震える声で言った。
あなた
赤尾さんが……
あまりにも、元気そうで……
赤尾リオン
あなた
……よかった、って思って……
一瞬、沈黙。

そして。
赤尾リオン
……なにそれ
リオンは、少し困ったように笑った。
赤尾リオン
変な子
そう言って、私の頭に――

ぽん、と手を置く。
赤尾リオン
でもさ
あなた
……?
赤尾リオン
そう言われるの、ちょっと嬉しいかも
あなた
…!
この笑顔を絶対に失うわけにはいかない。

そう決意したあなただった。
作者
すみません
作者
前々話でシンくんが、リオンさん行方不明って言ってるのに殺連にいるの本当に作者ばかすぎて笑えない
作者
有月が殺連内に匿っていると思っていてくれたら嬉しいです…

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