その日は、やけに空が高かった。
坂本さんに渡されたのは、
殺連宛ての小さな封筒。
分かる。
分かりすぎるほど、分かるよ。
南雲は今日は同行しないらしい。
シンは別任務。
扉を開けた瞬間。
――聞こえた。
明るくて、軽くて。
でも芯のある声。
視界の奥で、
水色の髪が揺れた。
訓練用ナイフを軽々と避けながら、
笑っている人。
本物だ。
生きてる。
嬉しいのか寂しいのか分からない感情が押し寄せて、
胸の奥が、ぐちゃっとなる。
リオンが、こちらを見る。
にかっと笑う。
その笑顔が、
“これから失われるはずのもの”だと、私は知っている。
声が出ない。
リオンが、私の前に来る
気づいたら
私は泣いていた。
リオンが、目を見開く
慌てて袖で涙を拭う。
私は、震える声で言った。
一瞬、沈黙。
そして。
リオンは、少し困ったように笑った。
そう言って、私の頭に――
ぽん、と手を置く。
この笑顔を絶対に失うわけにはいかない。
そう決意したあなただった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。