馨君と別れてそれでも気持ちが落ち着かず
少し部屋を出てフラフラしていると‥
ガチャッ…タッタ…
ドアが開く音が聞こえて部屋の方に戻る
迅君はそういうと出口の方駆け出したのだ‥
俺も急いで追いかけようとしたが‥
急に視界がグワンッと引き込まれ瞼が閉じられる‥
自分の意思なんて関係なく強制的なシャットダウンだった
これは‥どこだろう‥
落ち着く声‥
そう‥ここは暖かい‥
ここは安全‥
その問いに俺は答えられなかった‥
優しいお姉さんが父に反抗して島を追い出されたら‥
俺は“あなた”を唯一出せるところを失ってしまうから‥
心の安心を‥失ってしまうから‥
頭がズキズキする‥
倒れた時に打ったのかもしれない‥
走り出そうとしていたから頭から地面に落ちたのだろう
傷はふさがっているようだが
額をぬぐうと…冷たい赤い血が手にべっとりとつく
俺は起こしてくれた隊員にお礼をするのも忘れて
無人があるはずの部屋に直行した
ガチャッ‥
ドンッ‥
ガチャッ…
馨君に連絡を入れると、すぐに駆け付けてくれて
その後、皆が集められ集合した…
無人が出した紙には、
『申し訳ない』と書かれたくしゃくしゃの紙があった
馨君が用意してくれたタオルで額を拭く…
思った以上に深かったようでかなりの血がついていた
第九十二話 何してんだ? →



























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!