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第1話

MANIFEST
33
2024/11/16 04:56 更新
ぐちゃ。
破裂音。水風船とか卵が割れたときのような音。
そして聞き覚えのある音。
その懐かしい気持ちにノイズを混ぜてくるあの・・夏の記憶。カラスの声。かんかんかん、という音。
そうだ、いわばあれは赤の爆発。
青春という線路を踏まずに歩いた少女の末路なんだ。
と、私は記すことにする。
時は、遡ること一年前。半袖のセーラー服が似合う季節。
あの日、私は近所の公園の木陰のベンチに腰掛け、ただぼぅっと青を眺めていた。
入道雲が孤独な私をあざ笑っているような気がして、心が木々とともにざわ、と音を立てる。
もう夕方なのにまるでまだ昼のような顔をしているこの青天井にいら立って、足元にあった石を軽く蹴った。
意志はコロコロと転がり、やがて草の陰にて動きを止めた。
そこが、あんたの居場所なんだね_____。
自分でも驚くくらい低い声の独り言が勝手に唇を伝う。
しかし私は、石に話しかけるという奇行を気にする余地もないほど何かに飢えていた。



私は、学校では透明だ。
友達と呼べる人はいるし、嫌なことがあるかといわれるとそうではない。
ただ誰かと話すたびに私自身の本当の気持ちがかき消されていく感じがして。
好きでいじられキャラなんてやってない。好きで元気なキャラなんて演じてない。
ただ嫌われたくない。
「明るい女の子」のコスプレは、弱い私が縋った「自分を守る盾」に過ぎなかった。



私は、家ではお荷物だ。
機嫌を取って表情をうかがって、どうにかして関係性にひびが入らないよう努めなければいけない。
何せいやらしいのは、両親は優しいときはちゃんと優しいこと。
今まで何を与えてもらっただろう?数えきれないほどのお金をかけてくれた。
だから私には直接文句を言う権利なんてない。
「親孝行な娘」のコスプレは、弱い私が縋った「自分を守る盾」に過ぎなかった。



でもそんな私も誰もいない世界でなら私でいられる。
帰る場所なんて思い出せない私は、また目を空に向けた。
カラスの鳴き声が聞こえて、青はオレンジに呑まれていっている。
私もこのまま消えちゃいたいよ。
ずっとここにとどまっておくわけにはいかないので、私は立ち上がって公園から出た。
途端、世界は醜く巻き戻ってしまう。
空にもところどころ電線の黒が見え隠れしてなんとも面白くない。
私は自身の靴の方に視線を落とし、家の方向へ歩を進めた。
何も見たくない。何も見えなくて構わない。見えなくなってもいい。
気持ちが荒ぶる程太陽は沈み、歩くのも早くなっていった。
以前友達と学校帰りに寄ったドーナツ屋さんや雑貨屋さんがある通りも景色のようにすり抜けていった。
投げやりになっている頭の中で、ぼんやりと思いでは思い出にしかなれないんだな、と当たり前のことを考えた。
やがて、歩いていると踏切が見えてきた。
帰りにいつも通る踏切。昔はお母さんとよく手をつないでここを歩いたっけ。
かんかんかん、なんて下手な音真似をしながら。
…最後にお母さんと一緒に歩いたのって、一体いつだっただろう。
過去と今のギャップに諦めたような笑いがこぼれた。その時。
ヴヴッ‼
振動が体に伝わり、思わずわっ、と短い悲鳴があがってしまった。
ポケットからバイブレーションの正体、スマホを取り出して画面を見てみると連絡用アプリにお母さんから帰って来なさいとメールが来ていた。
いつもならそそくさと返信するところだが「分かりました」の「わ」をタップしたところで待てよ、と考えた。
今日くらい長い寄り道をしてもいいんじゃないかな?
私は一人でうなづくと、スマホの電源を切って再度ポケットにしまった。
うーんっ、と伸びをする。帰ったら絶対に怒られちゃうやつだな、これ。
でも少しぐらい私が私でいられる時間があってもいいよね。
不安に少量のわがままを練りこんで、私は顔を上げた。
同時に遮断機が上がる。
それは何だか「本当の私」を歓迎されているようで。
スキップするような軽い足取りで、私はたたたっと道を走った。
そしてふと立ち止まり、空を見上げた。
いつの間にかオレンジは紺に姿を変えている。
その日見た夜空は星なんて一つも見えなかったけれど、多分今まで見た中で一番綺麗だった。
しばらく見惚れていると、急に視界がまぶしくなった。
そして電車の警笛の音。
…ん?警笛?
光と音の方向に反射的に目を向けて、私はようやく気付いたんだ。
あれ、私、まだ踏切の中にいて……



キィイーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!

ぐちゃ。
私は夕方みたいな人間だ。
いつまでも青く染まることができない、生まれたばかりの「赤」ん坊。
もしかしたらこれはみんながまだ知らないだけの世の中の理なのかもしれない、なんて。
だから私はここに誓おう。
私と同じように、世間の色に迷う人たちの物語を書き続けようと。
先ほどの夏の話もあくまでフィクション。
あそこの「私」はただ「私」であって、作者である私とは似ているようで全く違う。
分からない?それでもいい。否定されたって気にもしない。
だって、本当はただの創作意欲。
私の作品が誰かの人生に色を塗ることができたならそれ以上嬉しいことはない。
おっと、話が長くなってしまったのでここらでこの話は終わろう。
いつかまた会う日があるとしたら…どうか、どうかまた今世で。
主
罫線多すぎだろ問題
主
どうも、自称:人間です。
主
いやあねぇ、書いちゃいましたよ初投稿。
将来黒歴史確定の特級呪物が出来上がっちゃいましたね
主
というか明後日テストなのにこんなんで大丈夫かな…
…まぁいっか!(諦めてる人)
主
というか現在2220字か…やべぇな
主
では早目に終わりますね
また今世で!

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