汐田くんが読んでいた本の作者さんの猫宮 菓子さんは人々の隠された心理を深読みするような、
そしてちょっと小馬鹿にしたような調子でかくのが特徴的で
実は読書家の中で人気の作家だ。
自分も読書家のお父さんの影響で昔から彼女の本をよく読んでいる。
実際に私もそうだし…と思いつつそう言葉を紡いだ。
長い沈黙の末、汐田くんは口を開いた。
ケラケラと笑いながら汐田翔は近くのパイプ椅子にドカッと座る
足を組み綺麗に整えられた頭をグシャグシャと掻きながら汐田翔はぶっきらぼうに話す。
汐田翔は呆気にとられたようでぽかんと口を開いていた。
なんだか可笑しく感じたようで目に涙を溜めるくらい大きく笑い出した。
それをみて何がおかしいのか分からず少しムスッとした。
絶対何言ってんだとかそんな反応されて冗談だって言われるに決まってる。
それぐらい汐田くんの積み重ねてきた行いはみんなの心に残ってる。
嬉しい…って今の言葉の何処が?
彼はニヤッと笑って本の山を指差した。
そこには何十冊の本が乱雑に積み重ねられていた。
状態を見るに何年もの間放置されているのだろう。
これは二時間コースかな…と思いつつ私は重たい腰を動かした。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!