第10話

第八話 本当の彼
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2026/02/22 05:00 更新
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
え?
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
あっ、ごっごめん!
失礼な言い方しちゃったよね
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
…なんでひねくれてるって思ったの?
汐田くんが読んでいた本の作者さんの猫宮 菓子ねこみや かこさんは人々の隠された心理を深読みするような、
そしてちょっと小馬鹿にしたような調子でかくのが特徴的で
実は読書家の中で人気の作家だ。


自分も読書家のお父さんの影響で昔から彼女の本をよく読んでいる。
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
…その作家が好きな人って世の中をはすに構えて見てるんじゃないかなって思うから…
実際に私もそうだし…と思いつつそう言葉を紡いだ。


長い沈黙の末、汐田くんは口を開いた。
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
あーあ…
バレちゃったか
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
え…?
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
『表情』も、『言葉』も
『行動』も、『仕草』も
素直で心優しく穏やかな人物芸能人の汐田翔』になりきれてると思ったのになぁ
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
本の趣味でバレるなんてね
火宮さんって探偵、向いてるんじゃない?
ケラケラと笑いながら汐田翔は近くのパイプ椅子にドカッと座る
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
これはいったいどういうこと…?
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
どうせバレちゃったし正直に言うけど、俺
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
外面だけで生きてるから
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
けっこう上手くやれてたでしょ?
芸能人なのにそれを鼻にかけず謙虚で素直で優しく穏やかな
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
汐田 翔しおた しょう
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
…え
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
いいの?
そんなこと私にバラして
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
まぁ
取り繕っても火宮さんは騙せない気がするし
足を組み綺麗に整えられた頭をグシャグシャと掻きながら汐田翔はぶっきらぼうに話す。
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
「絶対みんなにバラすなよ」…とか凄まなくていいの?
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
何?バラしたいの
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
…バラさないよ
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
そんなこと言いふらしても私にメリットないし
汐田翔は呆気にとられたようでぽかんと口を開いていた。


なんだか可笑しく感じたようで目に涙を溜めるくらい大きく笑い出した。


それをみて何がおかしいのか分からず少しムスッとした。
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
『メリット』ね
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
ないっちゃないかもだけど、
でも普通誰かの裏の顔を知ったら言いたくなるもんだろ?
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
そうかな…
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
そうだよ普通はね
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
でも、汐田くんが今まで積み上げてきた行いと、私の荒唐無稽な話
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
みんなどっちを信じると思う?
絶対何言ってんだとかそんな反応されて冗談だって言われるに決まってる。


それぐらい汐田くんの積み重ねてきた行いはみんなの心に残ってる。
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
…ありがとう
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
なんでお礼…?唐突に…
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
嬉しい言葉だったから
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
さてと!
切り替えてさっさと仕事するぞ!
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)

あ うん…
嬉しい…って今の言葉の何処が?
汐田 翔(up)
汐田 翔(up)
おい
この山終わるまでは帰さねぇからな
今日のノルマだ
彼はニヤッと笑って本の山を指差した。


そこには何十冊の本が乱雑に積み重ねられていた。


状態を見るに何年もの間放置されているのだろう。
火宮 頼奈(lt)
火宮 頼奈(lt)
はい…
これは二時間コースかな…と思いつつ私は重たい腰を動かした。

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