第19話

第18話「似ているから放っとけない」
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2023/11/30 10:00 更新
ー色のないセカイー
晴翔
晴翔
認めてもらいたいからだとしても、俺を救うって……?
晴翔
晴翔
意外と潔いんだ……
蒼太
蒼太
……意外とは余計だ
晴翔
晴翔
けど、ソラが作ったていう曲を聴いても、俺の思いは変わらない。
どうせ、救われないんだから
晴翔
晴翔
だから、もう放っといてくれ……
萌奈
萌奈
ネイン……
美琴
美琴
……ダメだよ諦めちゃ!
美琴
美琴
まだ……まだ、1回も聴いてないくせに……
簡単に決めつけないでよ!!
萌奈
萌奈
よく言ったわ、美琴。
ならネイン、私からも言うわ
萌奈
萌奈
さっきから、
消えたいだの放っておいてだの……物凄くムカつく!!
晴翔
晴翔
…………
萌奈
萌奈
本当、ずるいわよアンタ!
萌奈
萌奈
私が欲しかった人生を生きてたくせに、
どうして消えたいって言えるわけ?
晴翔
晴翔
……お前こそ、何を言ってんだ?
晴翔
晴翔
言っとくが、俺は何も持ってない……
萌奈
萌奈
ネインがそうだとしても、私にはそうじゃないの!!
萌奈
萌奈
アンタ、芸能活動うなぎ登りだったじゃない!
テレビに出ればかっこよくて、ドラマでもいい作品が作れて!
萌奈
萌奈
ここ1週間、家出したアンタをみんなは心配してる。
アンタの活動を待ってる人がたくさんいるのよ!!
萌奈
萌奈
腹立つくらい羨ましい才能を、アンタは持ってる……!!
萌奈
萌奈
私がどう頑張っても、手に入らなかった才能を……
晴翔
晴翔
…………
萌奈
萌奈
それなのに、簡単に捨てないでよ!
萌奈
萌奈
正直、グループに戻らないで欲しいって思ってるはずなのに……
悔しいけど……私も、アンタに消えないでって思っちゃうのよ!!
晴翔
晴翔
……誰が心配しようと、待っていようと、
俺にとっては、そんなのどうでもいい……
晴翔
晴翔
俺が欲しいのは、芸能活動でも、お前らの賞賛でもない。
俺は__見つけたかっただけ
晴翔
晴翔
でも、そんなの無理だってわかったから、
もう、どうでもいいんだ
晴翔
晴翔
お前にはわからないかもしれないけど
萌奈
萌奈
はぁっ!? アンタ……!
蒼太
蒼太
ちょっと悪ぃな……
すまんけど、オレもネインの気持ち分かるわ
蒼太
蒼太
オレみたいにさ、才能があろうが、天才だろうが、キツいときってあるっしょ?
美琴
美琴
萌奈ちゃんごめん……
わたしも蒼太くんの言うとおりだよ
美琴
美琴
どれだけ凄いことができても、
一番欲しいものが手に入らないなら、意味ないじゃん
晴翔
晴翔
………なら、放っとけよ
美琴
美琴
………ううん、それは無理だよ
美琴
美琴
けど、萌奈ちゃんの言うとおり……
わたしもやっぱり消えてほしくないや……
美琴
美琴
我儘なのはわかってるけど、
寂しいんだよね……
美琴
美琴
……それに、ここにいるみんな、
悩みは違うけど似てるような気がしてさ
美琴
美琴
思うことは違えど、
最終的に消えたいって気持ちは、みんな一緒……
美琴
美琴
無理やりっぽく聞こえるけど、似てるでしょ?
晴翔
晴翔
……………
晴翔
晴翔
勝手だな……
晴翔
晴翔
勝手に嫉妬して、
勝手に我儘言って、
勝手に救おうとして……
晴翔
晴翔
みんなみんな、勝手だ……
蒼太
蒼太
ああ、そうだ。勝手だよ
晴翔
晴翔
やめろよ……もう、十分だろ?
晴翔
晴翔
俺は早く消えたいんだ。
それが俺の本当の想いなんだ!
蒼太
蒼太
……ネイン
蒼太
蒼太
それはお前の想いなんかじゃねぇよ
晴翔
晴翔
……っ!?
晴翔
晴翔
違う……
これが俺の想いなんだ!!
晴翔
晴翔
まだ可能性はある……まだ、見つかるって思うのが……
疲れたんだよ……!!
晴翔
晴翔
だったら、早く諦めた方が楽だろ?
晴翔
晴翔
だから、もう……もう……!
晴翔
晴翔
もう、救われるかもしれないって、
期待したくないんだ!!
蒼太
蒼太
………っ……
晴翔
晴翔
もう疲れてんだよ!!
探して、探して、いくら探し続けても!!!
晴翔
晴翔
これも違う……あれも違うって……
また探しても違くて、絶望して……
晴翔
晴翔
__これ以上、どうしろってんだよ……!!
蒼太
蒼太
オレが手伝う
晴翔
晴翔
………は?
蒼太
蒼太
お前に聴かせようとした曲で、例え救えなくても……
__オレがずっと探し続けてやんよ
晴翔
晴翔
……何言ってんだよ?
蒼太
蒼太
だから、さっきも言ったとおりずっと探し続ける。
なんなら、この嫌いな才能だって利用してやる
蒼太
蒼太
オレは、オレに似ているお前が放っとけないんだ
晴翔
晴翔
そんな……そんなの………!
晴翔
晴翔
ソラだって、本当は消えたいんだろ!?
蒼太
蒼太
…………ああ。そうだよ
蒼太
蒼太
だから、もしオレが逃げようとして、消えようとしたら……
蒼太
蒼太
そんときは、『勝手に消えようとすんな』って言えばいい
蒼太
蒼太
……そしたらオレは思い出して、また探すのを手伝えるから
晴翔
晴翔
……何だよそれ
晴翔
晴翔
お前、自分が何言ってんのかわかってんのか?
これまで以上に、お前の苦しみが増えるだけなんだぞ!
晴翔
晴翔
俺が俺を見つけられるまで、
ソラはずっと探すのを手伝わなきゃいけない! それを……!!
蒼太
蒼太
もちろん。それは理解してる
晴翔
晴翔
……………
晴翔
晴翔
なんで……なんでそこまで……
蒼太
蒼太
さっきも言ったろ__
蒼太
蒼太
オレに、似てるからに決まってんだろ
晴翔
晴翔
…………
蒼太
蒼太
あいにくオレは、
お前を放っとくことができなくてな
蒼太
蒼太
それに、オレの好きなものをお前に布教できるからな。
そう考えたらなんの問題もねぇよ
晴翔
晴翔
…………
晴翔
晴翔
………何だよ、それ? わからない……
晴翔
晴翔
一体どれだけかかるかわからない。
見つからないまま終わるかもしれない
晴翔
晴翔
それでも…………本当に、やるの?
蒼太
蒼太
ああ。やってやる
晴翔
晴翔
……………
晴翔
晴翔
はは。そんな必死こいじゃって、
アホらしい……
晴翔
晴翔
………はは……ははは…………はぁ……
晴翔
晴翔
本当、嫌になってくる……

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