私の目の前にいた人は…
・・・あの時の先輩だった。
…え、無言?
私どうしたらいいんですか?
もうこの場から去っていいんですか??
その場からすすすーっと逃げ出すように歩き出す
がしっ
急に腕を掴まれたかと思ったら、
くるっと体の向きを変えさせられた
くいっ
片腕を掴まれて、顎を指でくいっと少し上に固定された
先輩との顔の距離はおよそ・・・10cm 程。
じーっと顔を見られるし、
距離も近いしっていうか腕掴まれてるし、
…私はもう、赤面どころの話ではなかった。
その時、小さい頃の私の記憶と、
今目の前にいる人の顔が、重なった
ぱっと手を離されて、体が自由になる
…え、今の何のための時間だったの?
名前聞いてもお断りされたのに
こんなに急に距離(物理的)近づけることある…?
で、でも…やっぱりそうだよね?!
間近で顔を見て確信した。
てってってってっ…
私は先輩の前に回り込んで、先輩が歩くのを阻止した
先輩は、構うことなく私を避けて通ろうとする
名前を聞いたら、もしかしたらあの子の名前も、
思い出すかもしれない…
そう思って、勇気をだして訊ねてみた
わぁ…めっちゃ呆れた顔してらっしゃる…
いや普通そうですよね、すいません…
聞き覚えがあるような、ないような…?
フョードル先輩はそのまま、歩いていってしまった
____
____________













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。