ガチャガチャ…
裏口の鍵が開く
普段 賑やかな街の片隅にある大きな会社はもはや面影もなくなっていて ペンキの剥げた看板だけがそれの名前を示していた
数秒前に2人は入っていたようだ
録音が残されていた
ガチャリ
中に入った
スイッチを探そうとして壁に指を這わすと ざらりとした感覚が伝わってきた
カチッ
何を探すかは分からないけれど この人に着いていけば大丈夫
2人なら何とかなる
そう思っていた
陽葵さんを残してだけど予定どおり進んでいる
大丈夫かなと思いながらドアを探し始めた
カチャ
パキンッ
ガラスを踏んだようだ
ガタガタ…ズルッ…ズルッ…
ピカッ
少し慣れて油断していた
そのせいで人に見つかってしまった
ドドドドドドドドッ
タタタタタタタタタタタッ
ズパッ…ヒュンッ…ヒュォン
タッタッタッタッタッタッ
ドドドドドドドドッ
タタタタタタタタッ
ズバッ…ザグッ
ドドドドッ
角を曲がり体を隠す
曲がりきれなかった人が壁にぶつかり 転んでいく
ズパッ…
ギュビンッ
ドドドドッ…ギュドンッ
弾の飛んできた方を見ると穴の空いた壁の向こうに 砕けた窓からマリエさんが顔をのぞかせていた
話している間に復活した人がやってきた
ドドドドドドッズダダダダダダダダダダダダダッ
タッタッタッタッタッ
2階に上がる
1番手前の部屋が開いているのが見えた
っばたん
部屋を見回す
人はいない
1つパソコンがあるだけだ
初めてタメ口で話した相手だった
にこにこしながら話しているうちに距離感も近づいてきた
ザザッ…ザッザザ_____
確認するが 誰かが連絡しようとした痕跡はなかった
私たちは顔を見合わせる
そして部屋に1つあったパソコンを見た
光っていた
私たちが入った時はついていなかったはずだ
私はパソコンに手を伸ばした












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!