🐰side
あの、印象強い総会から2年
父は遠くのどこかも分からない島へと飛ばされ、しばらく外へ出ることは許されなかった
殺されなかっただけましだ
というより、俺が殺そうとは思わなかった
腐っても親なんだ、どこか自分の心の底に僅かに残る良心が処刑という選択肢を取らなかった
父が居なくなったことで力の衰えた北が東と西どちらにも攻めて来たこともあったが、太刀打ちできるはずもなく北は壊滅状態に追い込まれ
いつの間にか組織は解体、北から東と西に戻った者も居たがほとんどは消息不明になってしまった
停戦から2年、トップになってから2年
どちらの組織も安定し、もう、その境目は年月が経つにつれて薄く曖昧なものに変化してきている
東と西の往来も自由、恋愛だって自分の組織内だけじゃなくていい
好きなように、お互いが過ごせるようになっていた
今日は月1のトップ同士の会談の日
普段から会っているものの、形式ばったものもスパイスとしては必要だ
中だるみしない為にも、こういうピシッとしたものは大事だった
大きな扉をノックすれば、すぐに飛んでくるあいつ
俺のことを見るやいなや恥ずかしげもなく額にキスを落としてきて、そこから熱が広がるのがわかった
いっつもご機嫌で楽しそうなスンミニ
俺には毎回こいつがしっぽをブンブン振ってるのが見える気がする
一緒に暮らす、東と西の違いが無くなる
それが俺にも、スンミニにも、もちろん部下達にも
大きな変化であり大きな一歩だ
1度踏み外した道を、また戻っていく
そんな感じがした
明日は、より良い1日になっていますように、そう願えるようになった事は幸せな事だ
これからも、同じような過ちを繰り返すことなく、この2つの組織がひとつに纏まることを願っていた
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。