俺は「愛」というのが分からない
人それぞれに様々な「愛し方」がある。
俺が知っている「愛され方」は本当に他人と
同じなのだろうか。
性虐待をしてくる継父。浮気性の母。
俺が女だったら、俺が出来損ないじゃなかったら、
こんなことにならなかったのかも知れない。
いつものこと。母が俺に向かって何か言うときは
「産まなきゃ良かった」「出来損ない」
そればかりがついてくる。
そう声をかけても返ってくる言葉はない。
だけど、そう声をかけるのは
もしかすると言葉が返ってくるのではという
期待があるから。
学校についても話す相手はもちろん居ない。
みんな俺を避けてばかりだ。
だから、昼もいつものように一人で食べる。
つもりだった。
この出来事が今後大きくなることになるとは
思いもしなかった。