ボクは、目の前の光景が信じられなかった。

綺麗な磨りガラスが入った窓から覗いたのは、どうみたって雲の上だった。
しかも、なんか謎のキラキラを放ちながら……進んでる?
そうだ、こんなん夢に決まってる!
外にでてみりゃわかるだろ…!
そう思った途端、ボクは部屋を飛び出した。
後ろからあいつの声が聞こえるが、当然無視だ。
…にしてもここ、随分と広い建物だな。
ボクが走りながら出口を探していたその時だった。
飛んでる?!
あの狐のやつみたいに!
こいつも飛べんのかよ!! バケモンじゃねーか…
いきなり言われた道案内に一応従って、やっと外に出た。
ここまでくると、もう何も言えない。
……完っ全に雲の上。そして、何だ?
島…なのか?!ここは!
ぐうの音も出ない。
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そう言って話し初めた内容を整理すると、こんな感じだった。
まず、ここは《ダイヤ》と呼ばれる島であること。
ここに居る人達は、《トランプ》と呼ばれる組織の人達で、それぞれの世界観がぐちゃぐちゃにならないように《境界線》を守る役割をしていること。
トランプには、《ダイヤ》の他にも《スペード》《ハート》《クラブ》があり、それぞれ13人ずつ暮らしていることだった。
そう言い切って笑ったそいつの顔は、何故かとても哀しそうに見えた。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!