第2話

2 ▶▶ 🟥🔪
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2025/07/06 11:41 更新



これは、Dreamcoreが黒く飲み込まれてから

少しあとの話。


黒天使の頂点に立った彼女、イチはふらりと、青々と茂った芝生と嘘みたいな青い空の下を歩いていた。
もちろん、迷い込んだ人間を殺すために。

今日も既に3人弱は殺して取り込んでいた。
殺すと取り込まれる者と、怪物のような見た目になったり黒天使の仲間として生まれ変わる者がいる。

そのような人間はだいたい人間に対して恨みを持っていたり、過去に何か抱えている人間が多い。

……彼女はまだ何も知らないようだが。






鼻歌を歌いながら気ままに散策していると、一人の人間が目に入った。

髪が雑なショートに切られていて、赤いヘアピンで雑に前髪をとめている。そして、切れ味の悪いハサミで切られたかのようなズタズタのスカートを履いていた。




イチ
こんにちはー
コバヤシ
……誰


睨むようにイチを見つめた”彼”は、虚ろな目をしていて、体のあちこちに赤いものが飛んでいる。




イチ
あなたは?なんできたの?
コバヤシ
……知らない
イチ
ふーん、ここにくるまえになにかした?
コバヤシ
………母さん
イチ
おかあさん?
コバヤシ
……僕がやっと殺したんだ


彼は口角を僅かに上げ、自分の手のひらを見つめた。




イチ
へえ。ごくろうさまー


草地に座り込む彼に目線を合わせるように、イチは座り込んで心にもない言葉をかけた。



イチ
( つまらないにんげん またおなじ )



黒い泥を足元から湧かせ、彼を手にかけようとした



コバヤシ
……僕を殺すの?
イチ
うん。だってあなたつまんないんだもん
コバヤシ
……そうか……好きにしてよ
コバヤシ
僕はもう母さんを殺せた 
十分だ 



草地に倒れ込み、全てを投げ出すように彼は笑い始めた。




この原色で塗りつぶしたような青空よりも、清々しく





空に手をかざすその姿は充足感に溢れていた。





イチ
…………きがかわっちゃった
ころさない
イチ
あなたもなかまにする
コバヤシ
……僕を?仲間に?




イチはにっこり笑い、彼を泥で巻いた。




最後に残っていた空の雲が、彼の心を表すかのように姿を消した。












コバヤシ
懐かしいなあ
そんなこともあったね


赤いヘアピンをさし、黒い学生服を身にまとった彼が目を細め微笑んだ。



イチ
あのときころさなくてよかったよ
せっかくのおもしろいおもちゃをてばなすところだったもん
コバヤシ
君に言われるなんて光栄だな






この場所がいくら歪んでいようとも、

彼にとっては豊かな環境であることは間違いなさそうだ。










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