前の話
一覧へ
私にはいきなりできた義兄がいる。高橋恭平。
これが私の義理の兄の名前だ。なんだか生意気で、あんまり好きにはなれなかった。
私は今日から高橋あなた。
あいつとは一応兄妹になる。
軽く挨拶を交わすと、恭平は部屋に戻ってしまった。私はそろそろ勉強の時間。大学受験を控える私はフリーターの恭平お兄ちゃんと話している暇はない。それにそろそろ先生がくるからっ。
いつもは先生と2人っきりで勉強していたのに、
今日はお兄ちゃんもいるからなんだか不思議。
先生が机を覗き込むと、自然と近くなる距離。
この近くなれる瞬間が大好きで、私が先生を好きになった理由でもある。
実は私あなたは、家庭教師の大吾先生に片想いしていますっ。わからないところを優しく教えてくれる先生、正しく問題が解けると思いっきり甘やかして褒めてくれる先生に、気づけば恋をしていた。
視線が重なると、思わず顔を赤らめてしまった。
今いい感じの雰囲気だったのに。
新しくできたお兄ちゃんのせいで台無しになってしまった。
あれからちゃんと勉強もしたけど、やっぱりさっきの、かわいいお顔でこっちを見つめる大吾先生の顔が忘れられなかった。
大吾先生との今日の勉強は終わった。
強がったようにみえる恭平の態度に違和感も覚えたが、今日のところは問い詰めなかった。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。