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第42話

第42話、来訪。竹林の永遠亭
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2026/02/26 13:15 更新
迷いの竹林の奥の闇病院________





























永遠亭______
しのぶたちが到着し、妹紅の案内で室内に入る。そして、和室に入るとそこには頭にうさ耳が生えている1人の少女がいた。
藤原妹紅
藤原妹紅
おっ!いた。
鈴仙!客人だぜ!
鈴仙・優曇華院・イナバ
鈴仙・優曇華院・イナバ
ん?
その声に鈴仙が振り返る。
そして、その目に入ってきたのはしのぶとカナヲの姿だった。
鈴仙・優曇華院・イナバ
鈴仙・優曇華院・イナバ
あっ!あなた方が今、幻想郷で噂になってる外の世界から来た不思議な人のお仲間さんですか!?
軽い足取りで近づくと、鈴仙は興味津々といった様子で、しのぶの顔を覗き込んだ。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
……何ですか?
しのぶが困惑しながら問う。
すると、鈴仙は耳をピョコピョコさせながら返した。
鈴仙・優曇華院・イナバ
鈴仙・優曇華院・イナバ
いえ、なんか思っていたより普通だなあって思いまして。ほら、あっちにいる人は、なかなか個性が強いじゃないですか。
そう言って、鈴仙が指を指した方向には宇髄がいた。
宇髄は永遠亭にいるウサギを眺めていた。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
あら。あの人だけですよ。あんなに個性的でチャラチャラした格好をしているのは。
しのぶは笑顔で少し小馬鹿にしたように言った。
八意永琳
八意永琳
あら、そうなの?大正時代?の人はあんな格好を好んでるのかと思ったわ。それで、私はもう少し凄いのを期待していたのだけど。
永琳がしのぶの後ろにいつのまにか立っていた。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
人を個性が無い人みたいに言わないでください。
八意永琳
八意永琳
あら、そんな言い方してないわよ。ていうか、頭に蝶の髪飾りと刀を持っている時点でそこらの人間とは違かったわね。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
…………
永琳の言葉のどこかに小馬鹿にしたような気を感じるしのぶは永琳のことを静かに睨んでいた。
それを、見ていた妹紅は呆れながら呟いた。
藤原妹紅
藤原妹紅
……来て早々、これかよ。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
.....何で、あいつはすぐ怒るし、喧嘩を始めるような態度をとるのかしらね。
古明地さとり
古明地さとり
レミリアさんも、似たようなものじゃありませんでした?特に変な要求してる時。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
うっ……昔の話でしょうが!しかも、結構的確なのが腹立つ。
2人がオラオラ…と話していると、離れていた宇髄がしのぶの横に立つ。
宇髄天元
宇髄天元
それで胡蝶。なんでお前が、あの吸......血鬼?ってやつと一緒にいんだ?
宇髄天元
宇髄天元
お前のことならなら、一緒にいるのも行動するのなんて派手に嫌がるだろ。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
一緒にいるわけではありません。ただ、なぜか付き纏われているだけです。
宇髄の質問にしのぶはレミリアのことを見て、微笑みながら言った。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
あ?付き纏ってるわけないだろ。失礼ね!
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
……あら、失礼。"跡をつけてきている"の方が正確でしたか?
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
………(カチン!!)
しのぶが挑発的に言い放つと、レミリアの紅い目が殺意を剥き出し、しのぶを睨む。
その瞬間空気が、一瞬で張り詰めた。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
お前......竹林でも散々チクチク言ってきて......本気で殺すぞ。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
あらあら…じゃあ少し付き合ってくれます?新しい毒の実験台になりそうですね。
しのぶが刀に手をかける。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
殺りますか?
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
.......チッ...お前...絶対許さないからな。
宇髄天元
宇髄天元
おっ!いいねぇ!ド派手な命の取り合いか?
八意永琳
八意永琳
ちょっと!ここで暴れないでくれる?やるなら外でやってほしいのだけど!
十六夜咲夜
十六夜咲夜
外でも今から暴れるのはやめて欲しいのですが……
咲夜がレミリアとしのぶの間に割って入りながら言った。
2人はお互いのことを睨んではいたが、その場は一旦静まった。
胡蝶カナエ
胡蝶カナエ
…...やっぱり、仲良くしてくれないかしら。
古明地さとり
古明地さとり
無理でしょうね。どちらも頑固ですから。
さとりが2人を見ながら、ため息をつく。
そして、永遠亭の廊下の張りつめていた空気が、ようやく少しだけ緩んだ。
藤原妹紅
藤原妹紅
......ハア。じゃあ、後は適当にやっておけ。
投げやりとも取れる声を残し、妹紅は踵を返した。
鈴仙・優曇華院・イナバ
鈴仙・優曇華院・イナバ
あれ?帰るんですか??
鈴仙が意外そうに声をかける。
藤原妹紅
藤原妹紅
ああ。あの月姫の奴と会わないうちに、とっ
ととずらかるわ。
そう言って歩き出した妹紅の背に、かすかな気配が寄った。
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
......あの......
控えめな声。
妹紅が振り返ると、そこにはカナヲが立っていた。
藤原妹紅
藤原妹紅
ん?
言葉は声は聞こえなかった。ただ、カナラは静かに頭を下げた。


_____ペコリ。
藤原妹紅
藤原妹紅
…!
一瞬、妹紅の目が見開かれた。
当然だった。今まで一言も話さなかった少女が話しかけてきて、自分に頭を下げたのだから。
それを見た妹紅はニヤッと笑い、照れ隠しのように口角を上げる。
藤原妹紅
藤原妹紅
おう!
それだけを残し、妹紅の姿は炎が掻き消えるように消えた。
古明地こいし
古明地こいし
カナヲちゃ〜ん。律儀だね〜。そんなこと別にしなくていいのに〜。
妹紅の姿が消えたのを確認したカナヲの後ろからこいしが乗っかって話しかけてくる。
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
……普通のことだから……
こいしの言葉にカナヲは少し、沈黙し小さく返した。
古明地こいし
古明地こいし
へー!そうなんだー。
カナヲの発言にこいしは全く興味なさそうに返した。
そして、妹紅がいなくなり残された場は少し静かになったが、そこにしのぶの小さい息が聞こえた。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
.....全く......本にもう......疲れますね。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
(…...イライラし過ぎないようにしていたのに.........平常心を全然保てない............)
今のしのぶの目は怒りよりも、疲れの方が目立っていた。


そんなしのぶに聞き覚えのある声が聞こえた。
冨岡義勇
冨岡義勇
胡蝶は......疲れているのか?
冨岡が首を傾げながら尋ねる。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
そうですね。それはもう…とても。
しのぶが何の疑問も持たず答える。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
……は!?
しのぶが答えた瞬間、レミリアが目を見開いた。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
何よあんた!急に現れて!びっくりするでしょうが!!
真後ろに立っていた冨岡の存在に驚いたレミリアは冨岡に怒鳴り立てる。冨岡はそれを真顔で聞いていた。
十六夜咲夜
十六夜咲夜
(......お嬢様の最高の叫び声...私の耳の中に......一生大事にします!!!)
その間に咲夜は、どこか恍惚とした表情で心の中だけで呟いていた。
古明地こいし
古明地こいし
メイドさーん!鼻から赤いの出てるよー!
それを見ていたこいしが無邪気な声で言う。
十六夜咲夜
十六夜咲夜
……っ!!
咲夜が慌てて顔を覆った。
宇髄天元
宇髄天元
冨岡!お前、何してんだ?こんな所で。
そんな時、レミリアの怒号には耳を貸さず、宇髄が冨岡に言葉投げかける。
冨岡義勇
冨岡義勇
歩いていたら、屋敷が見えた。
冨岡は淡々と語り始める。
冨岡義勇
冨岡義勇
中から、胡蝶と宇髄の気配がした。だから、入った。
・・・。








一瞬の間。
本当に、ただそれだけの説明だった。
全員の頭にハテナが浮かんだ。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
(マジで、何を言ってんの?こいつ。)
レミリアは眉をひそめる。
八意永琳
八意永琳
(歩いてるだけで、永遠亭を見つけたの?空も飛ばずに?)
永琳は静かに目を細める。
十六夜咲夜
十六夜咲夜
(しかも、竹林での騒動を知らないということは、巻き込まれていないということなんですね。)
咲夜は冷静に分析する。
鈴仙・優曇華院・イナバ
鈴仙・優曇華院・イナバ
(どんな運なの?それ!?)
鈴仙は思わず声に出しそうになる。
そして。しのぶは小さく息を吐いた。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
(本当に……この人は……)
冨岡は、その視線の集中に気づいているのかいないのか、ただ真顔で立っている。
冨岡義勇
冨岡義勇
……何だ?
むしろ、不思議そうに問い返す。

その一言で、空気がさらに重くなった。

レミリアが額を押さえる。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
あなた……本気でそれだけで辿り着いたの?
冨岡義勇
冨岡義勇
仲間の気配は分かるだろ?
即答で言うが。全く、答えになっていない。
宇髄天元
宇髄天元
いやいや、待て待て。冨岡よ。ここはな、あいつらの話だと迷いの竹林の中にある永遠亭っていう隠された屋敷らしいんだよ。信じ難いけどな。
宇髄が鈴仙や永琳から聞いた話を丁寧に説明する。
冨岡義勇
冨岡義勇
……迷いの…竹林?そうなのか?竹の匂いが強いだけだったぞ。
全員。





(いや、そういう問題じゃない!!)
しのぶはため息をつきながら、目を閉じる。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
(この人は……本当に……理屈が通じない。)
だが同時に。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
(でも、少し落ち着きましたよ。)
ほんの一瞬だけ、胸の奥に別の感情が灯る。

冨岡は何も考えていない顔で、ただ一言。
冨岡義勇
冨岡義勇
どうした?胡蝶。
その声音だけは、少しだけ柔らかかった。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
…ハァ…何でもありませんよ。
冨岡義勇
冨岡義勇
??
冨岡の顔には、本気で理解できていないという疑問符が浮かんでいた。

宇髄が肩をすくめる。
宇髄天元
宇髄天元
マジで何なんだよ、こいつ。
さとりが淡々と補足する。
古明地さとり
古明地さとり
関わってきたであろうあなたたちが分からないなら、誰も分かりませんよ。
それは擁護ではなく、事実だった。

こいしがくるりと回る。
古明地こいし
古明地こいし
でもさー、面白そうだよねー!ね?フランちゃん!
フランは腕を組み、即答した。
フランドール・スカーレット
フランドール・スカーレット
いや…会話通じなさそうだから、嫌かな。
その言葉を聞いた冨岡の眉が、わずかに動いた。
冨岡義勇
冨岡義勇
(……心外。)
本人の中では、きちんと会話しているつもりだった。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
フラン相手に会話が通じないって言われちゃったら、いよいよ終わりね。
フランドール・スカーレット
フランドール・スカーレット
どういう意味よ。
フランが即座に睨み返す。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
別に深い意味はないわ。ただの事実よ。
フランドール・スカーレット
フランドール・スカーレット
あるじゃないの。
落ち着いた姉妹のやり取りに、空気が少しだけ緩む。

その時、咲夜が一歩前へ出た。
十六夜咲夜
十六夜咲夜
お嬢様。それで、この先どうなさるおつもりですか?
レミリアは指先で顎をなぞり、ゆっくりと目を細める。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
……そうねぇ。
視線が横へ滑る。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
さとりに協力してもらって……調べたいことがあるのよね。
その瞬間。

レミリアの口元が、にやりと歪んだ。

獲物を見つけた吸血鬼の笑み。

それを見たしのぶの視線が、鋭くなる。
それを見たカナエがレミリアの耳元に話しかける。
胡蝶カナエ
胡蝶カナエ
……ちょっと、何を企んでるの?
ふわふわとした声だが、明らかに警戒と心配をしている。

カナエのその反応にレミリアは楽しそうに肩を揺らす。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
別に?
あなたが私に言っていた"あいつ(しのぶ)を手伝ってあげる"ために、ちょっと"真実"を知りたいだけよ。
レミリアの顔はその瞬間、まるで悪魔のような瞳と歯を見せていた。
だが、後ろではさとりが一歩引いた。
古明地さとり
古明地さとり
(…えっ?帰ったらダメな感じなの??)
さとりは小さくため息をつき、目を閉じた。
古明地さとり
古明地さとり
(ハァ…私もう十分働いたと思うんですが………)




















拒否権は…ない!!________

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