第2話

No,1💫🕊️
233
2024/12/23 13:06 更新



その日は雪だった。


シンシンと、降り積もる雪の中で、
私は横たわって、
赤いモノを流しながら灰色の空を見上げていた。




まだまだやりたいことはたくさんあった。



仲間とピクニックしたり、これからの魔界についてもっと話して、時に喧嘩して、そして仲直りして……
もう叶わない願いが次々と頭の中に浮かんでくる。



デルキラ
おいっ!イグっ!!
デルキラ
しっかりしろッッ!!
デルキラ
勝手に死ぬんじゃねぇッッ!!お前がいなくなったら魔界はどうなる!?



アンタレス・イグジス
アンタレス・イグジス
デル……くん。次の魔王は…デルくんに決定………。


から笑いしながら私はそう言った。
まぁ…デルくんの事だから大丈夫だろう。
まだまだやらないといけない事は山積みだから
きっとこれからは
書類やら紛争の鎮圧やらで大変だ。
ご愁傷様…フフッ。



デルキラ
何でだっ!?何でイグが死ななきゃならねぇんだよっ!!クソッ、何で回復魔法が効かねぇんだよッッ!!



アンタレス・イグジス
アンタレス・イグジス
何で何でって………全部…しかたが………な……い…よ。
アンタレス・イグジス
アンタレス・イグジス
全部ね……魔界を守るためなんだよ。
アンタレス・イグジス
アンタレス・イグジス
残念ながら私には、
全部を守り切るほどの力は無かったみたいだけどね……。
アンタレス・イグジス
アンタレス・イグジス
デルくん……デルくんお願いっ……!私が死んだ後でも、魔界を守って!……デルくんにしか出来ないこと、たくさんやって、楽しんで、そして、
私を………わ、たしと……………また……



デルキラ
分かった!イグの望み通りに魔王になる!だから、いくな!!
デルキラ
行かないでくれ!!



アンタレス・イグジス
アンタレス・イグジス
………うん。
アンタレス・イグジス
アンタレス・イグジス
ありがとう



ふわりと平和の魔王は笑った。
優しい日だまりのような笑顔だったと、
後にデルキラは語る。


それが平和の魔王の最後だった……とも。





















      『私とまた生きてね』













夢を見た。



それはとても哀しくて、恋しくて、
そしてどこか懐かしさのある、そんな夢。




パチッと目が覚めた。



窓から外を見ると、雪は降っていなかった。
それもそのはず。
冬はもうとっくに終わっていて、今は春。
桜の花びらが舞う時期なのだから。



エラ
エラ
今日は何時からバイトだったっけな……。




そして相も変わらず、私は今日も働く。




ずっと働く日々が続くと思っていた。



けれどそれは違った。



私はまた還るんだ。





愛しいあの場所に……。





そんな未来が待ち受けるのは、三時間後である。



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