その日は雪だった。
シンシンと、降り積もる雪の中で、
私は横たわって、
赤いモノを流しながら灰色の空を見上げていた。
まだまだやりたいことはたくさんあった。
仲間とピクニックしたり、これからの魔界についてもっと話して、時に喧嘩して、そして仲直りして……
もう叶わない願いが次々と頭の中に浮かんでくる。
から笑いしながら私はそう言った。
まぁ…デルくんの事だから大丈夫だろう。
まだまだやらないといけない事は山積みだから
きっとこれからは
書類やら紛争の鎮圧やらで大変だ。
ご愁傷様…フフッ。
ふわりと平和の魔王は笑った。
優しい日だまりのような笑顔だったと、
後にデルキラは語る。
それが平和の魔王の最後だった……とも。
『私とまた生きてね』
夢を見た。
それはとても哀しくて、恋しくて、
そしてどこか懐かしさのある、そんな夢。
パチッと目が覚めた。
窓から外を見ると、雪は降っていなかった。
それもそのはず。
冬はもうとっくに終わっていて、今は春。
桜の花びらが舞う時期なのだから。
そして相も変わらず、私は今日も働く。
ずっと働く日々が続くと思っていた。
けれどそれは違った。
私はまた還るんだ。
愛しいあの場所に……。
そんな未来が待ち受けるのは、三時間後である。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。