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第1話

第一話 モンドのお酒事案編
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2022/11/10 00:00 更新

〜モンド城内〜
ウェンティ
ちょ!ちょっと!
あなた~!
モンドに来るなら教えてよ!!!
あなた
…!?
あなた
…ウェンティですか
ウェンティ
あー!
なんでそんなに反応薄いのさ!
これでもモンドの人には「バルバトス様っ!」って感じで慕われてるすごい人なんだからね!

ウェンティは明らかにしょんぼりした態度をとってみせた

…これはわざとだな…

あなた
…ごめんって
で、だからってどうしてタックルいきなり背後からかましてくるのさ…

私は右肩を少し擦ったあと
人差し指をピンと立てて少し怒った態度をとる
…もちろんわざとだ。俗に言う仕返しである
ウェンティ
お酒飲みながら町中歩いてたらあなたが普通に歩いてるんだもん!
「ついにこんな少量のお酒でも酔うようになっちゃったのかも」って焦ったじゃない!

ウェンティは突き出された人差し指に驚いて一瞬たじろいだがすぐに弁明してくる
あなた
今日は観光じゃなくて視察のためにモンドに来たからです。
このあいだの視察のときに前もって行くことを知らせたらウェンティは一日私を遊びに付き合わせたでしょ?

あのときは甘美な誘惑に負けたけど…
今回もそうなるわけにはいきません!
ウェンティ
ぬぐっ…
ウェンティ
一時間だけ…!ね?
お酒‼とっておきのあるから!
ウェンティは顔の前で手を合わせウインクと舌ペロを使い説得しようとする。

…これは慣れてるな
風神としての威厳はどこへやら…
ウェンティの友人もこのようなことのために体を貸したわけじゃないでしょうに…
あなた
そこのチューリップとでも遊んどいてください。
ウェンティ
ちゅ、チューリップ…
右の花屋を見てそう告げる。
女の子が一人でやっているのだろうか…
モンド城内とはいえ少し不安だな…

手に持ってた資料に視線を戻す

…いけないここは道の真ん中だ少し移動しよう
ウェンティ
うぅ…
風神よりも資料ですか…
ウェンティが隣で何か言っているが耳で流し
歩みを進める

ちょうどいいベンチに腰掛けてから再度資料に目を通し今回の視察の内容について再び考え始める

しばらくしてウェンティが近づいてきて手元の資料を覗き込む
ウェンティ
ふむふむ…

モンドのお酒の製造数減少について!?
こ、これは由々しき事態…
ウェンティ
あなたちょっとこれ詳しく読ませて!
そう言うなりわたしの手から資料は抜け出してウェンティの手へと渡った

…お酒のこととなるとこうですか…

ふとウェンティの手元を見るとウェンティは片手で資料を持ち、もう片方の手で植木鉢を抱えてた

…チューリップ買ったんですか…
ウェンティ
…特にワインが問題になってるの?
あなた
…そうなんですよ。
最近ぶどうの出来が良くないらしくて…
お酒はモンドの一番の特産品ですからわたしが自ら調査に出ることになったってわけです
あなた
色々調べてるのですがわたしはモンドからすれば正体不明の人ですからね…
畑を直接見せてもらえれば話は早いのですがそれができなくてどうしようかと困ってました
ウェンティ
…あれ?
あなたこのあいだ身元証明書作ってなかった?

…………


あなた
…そ、それが大変言いづらいのですが
ウェンティ
…もしかして、失くしちゃった…とか?
あなた
う…
ウェンティ
失くしたんだぁ〜!
ウェンティは口の前に手を当てにやにや笑う…

…くやしい
ウェンティ
このあいだ僕が印を失くしたときはあんなに怒ったくせに〜!人に言えないじゃないか〜!
あなた
…なっ!
だいたいウェンティはこのあいだと言いますがだいたい300年前ですからね?それに私はあなたと違って忙しいので色々な場所を飛び回ってますし普段地上の身分証明書なんて使わないので無くなっても気づきにくいのです!
…それに今あれがあったとしても期限切れでしょうし誕生日が300年前では人間界ではもう使えないでしょう!
ウェンティ
はいはいw
人は言い訳をするとき早口になりやすいものなんですよ〜!
ふふふふ
あなた
だいたい!印と身分証明書を同じステージに立たせないで下さい!
印は神の心の次に大事と言っても過言では無いのですから!あのときは印を見つけれたから良かったですけど…
二度と…!失くさないで下さいね?
ウェンティ
う…
あなた
返事をしてくださいね?
ウェンティ
…はい
あなた
『もちろん』神の心もですからね
『当たり前』ですけど手元から話してはいけませんからね
ウェンティ
あなた!そんなにみくびらないでよ!あれはたまたまで…
…それにしてもすごく『もちろん』とか『当たり前』とか強調するね…
今はきちんと2つともあるよ。ほら
ウェンティの手からチェスの駒のような形状の神の心とキラキラ輝く印が出てくる
あなた
むやみに出しては?
ウェンティ
…ダメなんでした
…大丈夫なんでしょうか
はたして…
あなた
わたしはあなたの母親じゃないですから…
っと…あ
腕時計に目をやるとなんだかんだで結局結構時間が経っている…
こ、このままではただでさえ行き詰まってる視察が…
あなた
…ぅう…ウェンティぃ…
ウェンティ
ご、ごめんって!
ウェンティ
そ、そうだ!
アカツキワイナリーって分かるでしょ?
あなた
モンドで造酒の半数を担ってる…
貴族でしたよね?
ウェンティ
そうそう
でねそこのオーナーとちょっと顔見知りだからさ
ちょちょいと畑の見学を頼んでみるよ!
あなた
…やるときはやるんですね
ちょっと見直しました
ウェンティ
へへへ…


ん?褒めてるよね?
あなた
…たぶん?
ウェンティ
あなた!?






…2話に続く

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