第7話

共依存の双子は隠す
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2022/09/05 22:00 更新
甚爾視点

その光景に呆然とした俺だが直ぐに正気に戻る。
取りあえず嬢に刺さってるニ振の刀を抜き取った。
(クソッ!かなり凶悪な呪具じゃねぇか!止血する布は!)

止血する為に布を探していると坊の足元に白い布が落ちていたのでそれで止血した。

「、、、キィ、、、」
「坊、取りあえず止血はした。あとは医者にみせ、」
「とーじ、、、キィを見つけた時ね、、、この布でキィの目を隠してたんだ、、、何でだろう?キィの力は誰にも言ってないのに、、、ねぇ、キィ?、、、起きて?キィ?」
「目隠しだと?嬢の力?まぁそれより、早く医者の元に連れて行くぞ」
“ギィ~ガッシャン”
「あ?」

嬢を医者の元に連れて行こうとしたとき、俺が入ってきたドアが閉まった。

「騒がしいと思って来てみれば、、、ソレは母胎として使うモノだ。悟、そんなモノはソコに置いてさっさと部屋に戻れ、、、熱を出しているのだろう?甚爾、早くソレから悟を離せ。悟が穢れる」
「あ?何言ってんだ?俺の主人はこの2人なんでな?アンタの命令は聞けねぇなぁ?それに母胎?今にも死にそうなんだが?医者はどうした?」
「チッ、、、医師はそのうち来る。いいからさっさとソレから悟を引き離せ!」
「、、、キィ、、、ねぇ、キィをこんなにしたのはお前?」
「悟?親に向かってお前とはなんだ!」
「お前がキィにこんなことしたのかって聞いてるんだけど?」
「そうだ。ソレは母胎としての価値はあるからな?逃げないように要らない足を取っただけだ。いいからお前は安静にしていろ、、、熱を出したのだろう?」

五条の当主は嬢を壊れた物のように侮蔑さえ混じる感情を隠すことなく物のように扱った。
それに反して坊には猫なで声を出すかのような声とどろどろとした気持ち悪い感情を向けながら話す。
(気色わりィ、、、っと、こんな奴より嬢をどうにかしねぇとな)

「、、、け」
「悟?どうした?」
「出ていけ」
「なっ!」
「早く、出ていけ、、、お前を殺したくなる」
「っ!な、なにを」
「お前が死んでもどうでもいいけど、、、お前の血がキィと混ざったら嫌だから、、、さっさと出ていけ、、、じゃないと殺す」
「ひっ!、、、ッ、、し、仕方ない。落ち着いたら部屋に戻って安静にしておけお前を診る医師も用意してあるからな、、、帰るぞ」
「は、はっ!」

坊の殺気に当てられた当主とその部下達は帰っていった。
(はん、無様だな)

「坊、部屋に戻るぞ」
「なんで?キィが起きてないのに」
「アレがさっき坊の部屋に医者を用意したって言ってただろ?嬢をその医者に診せれば最悪なことにならねぇかもしれねぇ」
「あ、うん、部屋に戻る、、、キィ、直ぐに医者に診せるからね?」
「、、、る、、?」
「ッ!?キィ!」

坊の部屋に戻ろうとした瞬間、嬢の意識が戻った。

「、、、ルゥ、、はっ、ッ、、はぁはぁ、、ルゥ?」
「うん、僕だよ、、キィ」
「ルゥ、、、ごめ、、ッ、、ごめん、、、やく、、そく、、」
「約束?」
「さ、、ん、、グッ!?、、うっ、、ッ」
「坊!早く医者に診せるぞ!」
「とーじ!キィを!」
「そのまま一緒に連れてく!」

坊が嬢を俺に渡そうとしてきたが、坊もかなりある熱で体が思ったように動かせねぇんだろう。
立つのさえキツそうだったので俺がまとめて抱き上げ坊の部屋に急いだ。




部屋に着いたあと直ぐに医者に嬢を診せようとしたが、クソ当主が脅したのかなかなか診ようとしなかったので、仕方なくこっちも (物理的に)脅して嬢を診せた。

その日、坊の部屋の前にあった幹が太く立派な桜の木が無くなった。




ボヤける意識の中で自分の意識が目覚めたのを感じた。
(、、、アレ?血の臭いがしない?、、、なんか息が苦しい?熱でも出たかな?、、、いや、僕太もも刺されたじゃん!)

「ッ!、、うっ、、」
「キィ!?」
「おい、嬢、急に起き上がろうとすんな。かなりの熱が出てる。坊も少し寝とけ、、、病み上がりだろ」
「僕の熱はもう下がったから大丈夫だよ。それより、キィ」
「ぅっ、、、ルゥ?」

起き上がろうとしたが気持ち悪くてお布団の中に戻った。
まだ視界はボヤけるがルゥが心配そうに僕を覗き込んだのが分かった。
(アレ?僕の太もも、、、うん、動かそうとしただけでスッッッゴク痛いのがわかった)

「キィの足が刺されてから3日たったよ」
「、、、3日、、、僕の足、、、もしかして動かない?」
「ッ、、、うん、腱が切れてるからもう動かないって」
「うん、そうか、、、刺された時になんとなく分かってたから大丈夫、、、ただ、ルゥとの約束が叶えられなくなっちゃたのが悲しいかな?」
「約束?」
「うん、一緒にお散歩しようって約束」
「あ、、、、ッ、、キィ」
「ごめんねぇ?」
「キィのせいじゃないから謝らないで」
「うん、、、、とーじもありがとう」
「あ?」

静かに僕達のやり取りを見ていた甚爾にもお礼を言った。

「僕を運んでくれたのとーじでしょ?」
「ああ、そうだが」
「ルゥもあの時は熱を出してたし、、、大変だったでしょ?ありがとう」
「いや、、、ああ、そうか、嬢はずっと坊の側に居たんだっけか」
「うん、生身でははじめましてだね。僕は皐だよ、、、ルゥの悟の片割れで双子の姉だよ」
「ああ、知ってる」
「それで、今はどうなってるの?」

僕は自分が眠っている間のことを聞いた。
(3日たってるって言ったけど、、、何か変わったかな?)

「特に変わってわねぇな。ただ、嬢は自由というか坊の預かりになった」
「ルゥの?」
「坊が今回の事にキレちまってな?嬢の怪我を治療したあと熱が下がってねぇのにクソの当主の所に行ってな?」
「うん、アレの所に行って?」
「嬢の事を全部坊を通して許可がなければ嬢に何もする事を出来ないようにした」
「僕、、、とーじと僕をじゃなくて?」
「、、、なんでわかった?」
「僕がルゥでも同じことをしたから。僕はルゥでルゥは僕だからね?」
「うん、そうだね。今後、とーじとキィは僕のモノってことになったよ」
「その時さ、アレ、、、怖がってなかった?」
「怖がってたよ、、、強がってたけど」
「だよねぇ~?」

まだまだ小さいそれも可愛らしい子供に大の大人(しかも親)がブルブル震えながら怖がっているのは滑稽だっただろう。
(見れなかったのはちょっと残念だけど、、、コレでルゥにもチョッカイ出す人は減るだろうから良いかな)

「くっ、、ハハッ!嬢も良い性格してやがるな?これから頼むぜ?もう一人のご主人様?」
「うん、これからもよろしくね?僕達の黒猫」
「まぁ、これからのことは後で良いからお前らは寝てろ」
「僕はもう大丈夫だって」
「ルゥはもう熱が下がったんだっけ?なら、僕と一緒に寝ても大丈夫だね。久しぶりに一緒に寝よう」
「うん!やっと一緒に眠れるね」
「そうだね、、、おやすみ、、ルゥ、、」
「おやすみ、、キィ、、、」

僕達は久しぶりに手を繋ぎ (もちろん恋人繋ぎ)ながら眠った。

「やっと寝たか、、、これ以上この2人にナニかしたら、、、~てやる。コレらは俺のモンだ」

甚爾が何か言ってたけど優しく頭を撫でる感覚に意識は沈んだ。



あれから数年、色々あった。
例えば、ルゥが僕と同じくらいに髪を切ろうとしたり (とーじと死ぬ気で止めた。最終的に僕がルゥの髪が好きだから切らないでとお願いした)、甚爾が結婚したり (そういえば結婚するんだったなと思いながらも驚いた)、僕達の目の力が強すぎて頻繁に頭痛や具合が悪くなったり、その目を使い過ぎないように目隠しするようになったり (サングラスじゃなくてアイマスクとかで)、甚爾の子供が生まれたり (五条家から出られないので奥さんにも子供、、恵にも会ったことがない)、甚爾の奥さんが病気で亡くなったり (とーじは荒れそうになったけど僕とルゥで頑張って慰めていたら荒れなかった)、いつの間にか甚爾が女の子を一人引き取る事になったり等々、本当に色々とあった。

そんな感じに数年たって僕達はそろそろ高校生の歳になった。
僕達は昔から決めていた通り東京の高専に行くことを決めていた。
クソ当主にもそのことを伝えると、少し渋ったが高専ならということでめでたく許可を貰った。
許可を貰ってから直ぐに僕達は五条家を出て (生まれて初めて家からでたよ)東京に行った。
高専に入学する前なので近くのホテルで高専が始まるまで寝泊まりをする事になった。
甚爾も僕達の護衛という名目で高専の近くに引っ越してきた。
甚爾の子供達は色々な事情 (五条家のせい)でまだこっちには来てないが、そのうちこっちに来させる事になっている。


数日たち、高専に入学してルゥは寮に入った。
ちなみに、僕はルゥの寮の部屋に居る。
今日はルゥがクラスメイト (といっても2人しか居ないけど)との顔合わせの日だ。
(よし、早くルゥの所に行こう)

僕は眠ってルゥの所に意識を飛ばした。
ルゥは目隠しをして外にいた。

『ルゥ、頑張って』
《うん、分かってる》
『あ、自己紹介だ』
《クラスメイトは僕を居れて五人だって》
『五人かぁ、、、五人?』

確かにルゥが言った通り先生を抜かしたら生徒らしい人がルゥを居れて五人居た。
(え?確か原作ではルゥを居れて三人だったよね?えっと確か)

「家入 硝子」
『うん』
「夏油 傑」
『うん』
「姫崎 夢愛 (ひめさき ゆめ)で~す♡」
『うん?』
「幸谷 奇跡 (こうたに きせき)」
『、、う~ん?』
「五条 悟」
『うん』

変なのが2人居る。
硝子と傑は原作に居た子達だ。
(え?僕が知らないだけでこんな子達居たの?いや、居ないはずだ、、、もしかして僕と同じような人?)

「あれ~?悟くんはなんでそんな目隠ししてるの~?」
「おい、姫崎」
「そんな目隠し取っちゃいなよぉ~」

姫崎夢愛という女がルゥの目隠しに手を伸ばした。
傑が止めようとしていたがお構い無しでルゥの目隠しに触ろうとした。

「え?」
「な~に?雑魚がぼ、俺に触んじゃねぇよ」
「え?そんな~、夢愛はただ悟くんの為を思ってぇ~」
「は?何を勝手に人を名前で呼んでんの?それに俺の為?ありがた迷惑なんだけど?」
「もう、悟くんのイジワル~♡」

姫崎夢愛はルゥの冷たい態度にもへこたれず話しかけてきた。
(話し方がイヤだな、、、気持ち悪い)

「とりあえず、今日は顔合わせだ。これからこ面子で……」

先生が色々と話しているが姫崎夢愛はずっとルゥを見つめながら話しかけていた。
ルゥは無視しているけどイライラしているのが伝わってくる。

『ルゥ、頑張ったねぇ。コレが終わったらさっさと僕の所に戻ってきてケーキ食べようね?それまで我慢しよ?』
《うん》

ルゥの話し方とか一人称が違うのは僕ととーじの提案だ。
ルゥの本当の性格をそのまま見せて他の人に知られれば上に伝わる可能性がある。
ルゥは原作と違い少しふわふわというか素直というか、、、つまり、上に知られると嘗められたり利用しようと考えられたりする可能性があるので人前では原作に近い感じの性格を演じるようにした。
(僕、五条悟が好きだったからあの性格が悪いとかは分からなかったけど、性格が悪いって言われてたみたいだし、あの性格、、、人を見下してバカにして煽るだったっけな?そんな感じにしてればルゥは大丈夫だよね?ルゥの本当の性格は可愛いからもったいないけどルゥの為に隠さないとね)


原作に居ないはずの2人の人間が五条悟に向ける視線が粘っこい熱をもっているのをまだ誰も知らない。

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