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第9話

五人目 前編
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2026/03/07 08:00 更新
終電前の駅のホーム。
身なりの綺麗に整った、吸血鬼の子供が電車を待っていました。
黒猫さんは、見向きもしませんでした。
五人目「やあ、黒猫さん。」
ですが、今回は相手から声をかけてきたのです。
黒猫「オレのことか?」
珍しく、不機嫌そうに目を細めて、振り返りました。
五人目「ああ。そうだよ。ゲームをしないかい?」
黒猫「ゲーム?」
吸血鬼の子供は、トランプを見せてきました。そして、慣れた口調で説明をしてきました。
五人目「ルールは簡単。ここに1から9までのカードがあるだろう。これをランダムに1枚引いて……」
スペードの5。見たことの無い柄のトランプでした。
五人目「もう1枚、引く。さぁ、このカードは5より大きいかな?小さいかな?」
黒猫さんは、仕方なく答えました。
黒猫「デカい。」
2枚目のカードを裏返すと……9。
五人目「やったね。正解だ!」
五人目「楽しかったよ。ありがとう。」
そういうと、吸血鬼の子供は電車に乗り込み、
五人目「また遊ぼうね。黒猫さん。」
と言いました。軽く手を振り、ガタン、ゴトン。音とともに過ぎ去ってゆきました。
黒猫さんは、また遊ぼう、という言葉を聞きいて、背筋になにか冷たいものが走りました。

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