あれから月日は経ち、あっという間に3月31日。
蘭ちゃんのGirls²卒業の当日だ。
蘭ちゃんは、今日は家にいる。
だから、蘭ちゃんに言うんだ。
ランナーS”🐶❤️🔥🏃♀️だった…いや、これからも、ランナーS”🐶❤️🔥🏃♀️でいることを。
リビングで蘭ちゃんを呼び止めた。
エゴサをしていたのか、蘭ちゃんは泣いていた。
特に会話もなく、蘭ちゃんを部屋に入れる。
ここからが、本番だ。
クローゼットを開け、白い大きな5段のローラー付きの引き出しを出した。
この引き出しは、蘭ちゃんから初めてのお給料日に貰ったものだ。
そう言われ、私は必死に使い道を考えた。
数日経って、日に日に増えてく蘭ちゃんのグッズを見て、これだ!と思い、蘭ちゃんやGirls²のグッズがいっぱいになって入っている。
そう言って、1段目を開ける。
中には、うちわ、ボード、ペンライトが入っている。
蘭ちゃんは何枚ものうちわを見て、少し目を輝かせていた。
2段目だ。
ぬいぐるみ、キーホルダーや、缶バッジが入っている。
3段目は、ポストカードとシール、CDとDVDが入っている。
4段目には、今までGirls²が出て来た本や雑誌、カバンと、サインが入っている。
最後の5段目には、衣装やコラボ服が入っている。
揃っていない服はない。
蘭ちゃんが何か言った気がして、振り返る。
なんで…?サイン等の、名前が見えるものは全部伏せて見せたのに…
なんで?
涙が止まらない。
鈴は蘭ちゃんに抱きついた。
fin
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。